衛生帽子に取り付けた
ICチップで入退室を管理。
ホルダー設計の一工夫で
機能性と衛生面を両立。
■クライアント:食品工場(鮮魚の加工)
■サンロード担当:水本
今回の商談のきっかけは。
お客様が「異物混入ラボ」のホームページに載っているオーダーメイド事例をご覧になって、お問い合わせいただいたのがきっかけです。
お話を伺うと、「従業員の入退室管理に衛生帽子を使いたい」ということでした。従業員がICチップを身に付けて、更衣室と工場を出入りすると、入り口のドア付近に設定しているセンサーが反応して「誰がいつ入退室しているか」を把握できるようにするというものです。
しかしユニフォームや作業着に付けるのではセンサーの反応が悪かったので、頭のてっぺんにICチップを付けたら反応しやすいだろうと考えられました。
しかし一方で、工場では従業員の入れ替わりが多く、帽子に縫い付けてしまうと人が代わった時にその帽子が使えなくなるのでもったいない。それで、ICチップだけを入れ替えて使えるようにしたい、といったご要望です。
ご相談に対してどんなアプローチを?
既製品をベースに、ICチップのホルダーを付ける形をご提案しました。最もリーズナブルなタイプのサニキャップ2005がベースになっています。
最初は問題のICチップがどんな大きさか、どんな形かも分からなかったので、まず実物のサンプルを送っていただいて、それに合わせた形で透明のホルダーを作りました。
ホルダーはICチップを入れやすく、出しやすく、かつ作業中にチップが落ちないように形と大きさを調整しました。
何しろ頭の上ですから、もしチップが落ちても自分では分かりません。気づかないうちにチップがなくなってしまうかもしれない。また常にホルダーがピンと張っていれば良いですが、それもかぶり方によって違ってきます。ですから、落ちないようにというのはよく考えました。

ホルダーの縫い付け方も工夫されているとか。
ICチップを出し入れする口と、中のゴミを抜く穴を設けています。
普通はチップを入れることだけを考えてコの字型に縫製してしまいがちなんですが、その形状だと、帽子を洗濯すると中にゴミが残ってしまうんです。ちょうど、ワイシャツのポケットの底にゴミがたまっていくようなイメージです。そのために、ゴミの抜け口を作っておきました。
ゴミがたまっていると、やっぱり不衛生な感じがして良くありませんし、それにゴミが異物となって異物混入が発生するリスクもあって危険です。
以前にも他の開発事例で、こういったネームホルダーを帽子に付けた経験があったので、今回はそれが生きたと思います。
なるほど!お客様の反応はどうでしたか。
サンプルをお持ちしたら、もうそれこそ一発OKといいますか、「これで大丈夫です」という感じで決まりました。衛生帽子のカスタマイズでは「ここはこうして、ああして」みたいなやりとりがつきものなんですが、この帽子に関しては特になかったです。うまく先方のニーズに合ったものをご提案できたのだと思います。
もちろん先方でも、実際にチップを付けてみてセンサーの反応やホルダーからの落ちにくさをテストしていただました。現在も問題なく使っていただけています。
開発期間はどのくらいでしたか。
3週間ぐらいです。通常の衛生帽子カスタマイズと比べるとかなり短い方ですね。
工程自体は透明のネームホルダーをちょっと縫い合わせるだけなのですが、ネームホルダーのサイズをICチップに合わせて特注したので、外注業者さんとのやりとりに少し時間がかかったぐらいです。
今は衛生帽子も、いろんな活用のされ方があるんですね。
私も今回のように頭のてっぺんにICチップを入れて入退室の管理をするというのは初めてでした。
実際、お客様も今までの帽子の会社さんに1度打診されたものの「こういうのはちょっとできない」とかで断られたそうです。そこでオーダーメイドできる会社をネットで探されて当社を見つけていただきました。
今、工場での入退室管理でICカードを使うケースは増えているようです。私たちも今回の実績が一つできたことで、横展開といいますか、他の業種で同じような入退室管理をされている現場があれば提案していけるんじゃないかと思います。