複数の素材と独自設計で
頭部の圧迫感を抑制。
髪の長い女性従業員の
お悩みを鮮やかに解決!
■クライアント:食品工場(惣菜の加工)
■サンロード担当:梶野
今回のご依頼を頂いた経緯は。
直接のきっかけは、FOOMAという食品製造関連の展示会です。
クライアントはそれまで工場で使っておられた他社製品の、かぶり心地に不満をお持ちでした。そこにFOOMAで弊社が展示していた「コモドラインナー CD-F3008」をご覧になり、一度試してみたいという話になったのです。
その後、CD-F3008のサンプルを私からお送りして試用していただいたところ、もう少し改善してほしいとのご要望があり、カスタマイズを行うことになりました。
※「コモドラインナー CD-F3008」について詳しくはこちらをご覧ください。
コモドラインナー CD-F3008
どんな改善を希望されたのでしょう。
クライアントの工場では女性の従業員が多数いらっしゃいます。長い髪の毛を団子にまとめて上から衛生帽子をかぶっている方も多く、髪を帽子の中に圧迫感なく収められるかという点を重視されていました。
CD-F3008は「2WAYメッシュ」という伸縮性の高い生地を使用しているのですが、実際に試していただいたところ「今の形でも悪くないんだけど、もうちょっと圧迫感を小さくできないか」というご要望を頂きました。
具体的なカスタマイズ内容を。
まず帽子の後頭部に、2WAYメッシュよりもさらに伸びの良いタイプの「2WAY」という生地を追加しました。同時に、帽子の形状も少しふくらみを持たせ、帽子内部にゆとりが生まれるように設計しています。
2WAYメッシュは通気性も高い生地ですので、帽子全体は2WAYメッシュのままで涼しい着用感を維持したまま、後頭部だけ生地と形状を変更して、髪の毛の長い方にも圧迫感や締め付けが少なくなるようにしました。
こうした加工は、技術的には難しいのでしょうか。
単に帽子全体の生地を入れ替えるだけならそれほど難しくないのですが、今回は異なる種類の生地を一緒に使っています。同じタイプとはいえ2WAYメッシュと2WAYとでは伸縮比も違いますし、帽子の一部分に別の生地を付け加えることになるので、縫製のつなぎ目がきちんとできるかなどをデザイン部門に確認してもらったりしました。
それと今回は平坦な部分ではなく、後頭部の丸みのある部分で生地をつなげています。立体的にふくらみを持たせた曲線部分のつなぎ合わせを、伸びる生地同士で合わせるという加工はデザイン的にも簡単ではなかったと思います。
当社ではこれまでも、よく伸びる生地同士の縫製や、伸縮しない生地と伸縮する生地をつなぐカスタマイズをやってきた実績が豊富にありますので、今回も対応は可能だと考えていました。このあたりの経験の蓄積や、縫製を手作業で行える技術力の高さは当社のオーダーメイドの強みです。
製品の完成まで、どのくらいかかりましたか。
最初に引き合いを頂いてから、お客様といろいろキャッチボールを繰り返して、最終的には2年くらいかかっていますね。
最初に通常モデルのCD-F3008をお送りして、半年ぐらい試してもらってご要望を頂いて、後頭部のパーツを変更し、形状にふくらみを少し足して、何度かサンプルのやりとりをしました。
そしてほぼ完成という段階で、「こめかみのメガネのツルを差し入れる部分が、どこにあるか少し分かりにくいので目印が欲しい」と新たにリクエストを頂き、色の濃い糸を差し入れ口に縫い付ける形で対応しました。
先方のサンプルテストも、当然1日や2日かぶってOKとはなりません。数名の従業員の方に1~2ヶ月かぶっていただき、出てきたご意見を制作現場にフィードバックし、数日かけて改良してまたテスト、というのを繰り返すので、どうしても時間は必要ですね。
お客様の反響はいかがですか。
ご納品から3年ぐらいたちますが、作業員の皆様には「かぶりやすい」と喜んでいただいています。開発段階で何度もテストを重ね、皆様のご意見も反映されたものですから、納得して使っていただいているのではないでしょうか。おかげさまで、毎年定期的に発注してくださっています。
これの使い勝手に慣れてしまうと、おそらく他の製品の使用はないかと思います。これがオーダーメイドの強みです。また、何か改良や修正があれば相談があるかと思います。