世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス。とにかく一日も早くおさまってほしいと願うばかりです。
もちろんただ願うだけじゃなく、自分ができる感染対策を行うのは当然ですよね。三密を避けて、マスクや換気もしっかり実践しましょう。
そして窓換気の時に問題となる異物混入、つまり「窓からの虫の侵入」を防ぐのに、広く使われているのが「網戸」です。今回はこの網戸に注目してみたいと思います。
「ウィズコロナ」の生活へ
全世界で感染拡大を続ける新型コロナウイルス。感染者数は累計9600万人にのぼり、死者は205万人を超えています(2021年1月20日現在)。
日本国内でも一向に収まる気配がありません。国内の感染者数は累計で34万人超(同上)。毎日のようにニュースで流れる「過去最多」や「医療崩壊」の文字に、戦々恐々としている方も少なくないのではないでしょうか。
そして、これからの私たちに求められているのは「ウィズコロナ」、つまりコロナ感染を予防しながら生きていく、コロナと共存していく「新しい生活様式」です。
すでに今、日常生活や働き方、住まい、レジャーなど、あらゆるものがコロナ以前とは違ったものになりつつあります。
「三密(密閉・密集・密接)」を避ける行動はすでに日々の暮らしの中で当たり前になっており、屋外ではほとんどの人がマスクを着用しています。オフィスや店舗では部屋の換気が徹底されています。こうしたコロナ対策は、今後ますます私たちの日常に根付いていくでしょう。
窓換気で問題になるのは「虫の侵入」
このコロナ対策に関して、「異物混入ラボ」として注目したいのは、「室内換気」についてです。
室内換気は、「三密」の中でも特に「密閉」を解消するのに有効です。3つの「密」の重なる空間の感染者は、そうでない空間よりも18.7倍感染させやすいという指摘もあり、室内の換気がコロナ対策に大変重要であることが分かります。
室内換気の方法は、主に次の3つがあります。
- 窓を開けて行う自然換気
- 換気扇や24時間換気システムによる機械換気
- フィルタ式の空気清浄機による換気
中でも、特別な装置や設備を必要とせず、誰でもどこでも実践できるのが窓換気。ぜひ積極的に実践してくださいね!
ところでこの窓換気には、ひとつ問題があります。それは、開放した窓からの虫などの侵入です。空気を部屋に通す以上、部屋に入れたくない虫や塵も入ってきてしまうのは道理で、換気というものに必ずついてくるジレンマです。
この問題を解消するための一般的な対策としては、窓に網戸を付ける方法があります。
網戸は窓や玄関、勝手口など設置する場所の形や大きさに合わせた様々な種類があり、外気との換気を保ちながら小さな虫などを防ぐ役割があります。
実際、コロナ対策として室内換気が推進される中で昨今は網戸のニーズが高まっている、と報じる新聞記事も出ています。
「コロナ対策、網戸に“追い風” 需要急増、室内換気で注目」(山陽新聞)
「なぜ?コロナ拡大で進む教室の網戸設置 換気時に虫侵入、授業中断で要望多数」(京都新聞)
換気時に屋外から入ってきやすい小さな虫は、特に夏の間にたくさん発生します。
(私たちの「観測レポート」でも、夏場は捕集した虫の数がぐっと増えているのがよく分かりますよ)
残念ですがコロナウイルスの感染拡大は、もうしばらくは続きそうです。来たる夏に備えて、窓換気がしやすいよう虫対策についても頭に入れておいてください。
網戸は虫の侵入を防いでくれるのか?
ここまで、窓換気の虫対策に網戸が有効とご説明してきましたが、実は網戸をしっかり閉めていても、虫が侵入してくることがあります。
例えば、次にあげるようなケースです。
閉め方を誤っている
網戸を正しく閉めた時の、窓と網戸の位置関係は下図のようになっています。
片方に2枚の窓を寄せて、隙間なく虫をしっかりシャットアウトできているのが分かりますね。
一方、1枚の窓を半開きにしていると下図のようになります。
窓を全開するよりも開放する面積が狭いので、より虫が侵入しにくいように思いませんか? ところが、実はこの閉め方だと、窓と網戸の間に隙間ができるので虫が侵入しやすくなってしまうのです。
メッシュよりも小さい虫が入ってくる
ホームセンターや通販サイトなどで網戸を探すと「18メッシュ」「24メッシュ」といった種類があるのが分かります。このメッシュというのは網戸の目の細かさを表す単位で、「1インチ(25.4mm)あたりの網目の数」を表しているんです。一般的には18・20・24・30・40メッシュの5種類があります。
そして網の目より大きな虫は網戸で防げますが、網の目より小さな虫は、網戸を抜けて部屋に侵入してしまいます。例えばユスリカの成虫の体長は0.5mm~1センチメートル程度といわれるので、一般的な網戸に使われている18メッシュ(目の大きさ:1.15mm)や20メッシュ(1.03mm)では小さな成虫は防げません。メッシュの大きい、網の目が細かい網戸を使えば良いのですが、そのぶん風通しが悪くなりますし値段も上がります。難しいところですね…。
網戸の破れやゆがみ
これは当然のことですが、網戸に穴があいたり破れてしまったりして、そこから虫が侵入する恐れもあります。
一般に網戸の耐用年数は5~6年といわれていて、太陽の紫外線や雨風、車の排気ガスなどの影響で劣化していきますし、猫などのペットがひっかいて傷めてしまうこともあります。
そして小さな穴や傷ができると、知らず知らずのうちにどんどん広がってしまうんです。
さらに劣化が進むと、網戸の枠に留めているゴムがゆるくなり、網戸がゆがんでネットが外れてくることもあります。そうなれば網戸の交換も考えなければなりません。
虫をシャットアウトしながら窓換気ができる「窓換気ネット」
窓換気での虫の侵入を防ぐのに役立つ網戸ですが、それも完全無欠というわけではありません。
「虫や異物の侵入をしっかりシャットアウトし、なおかつ網戸よりも使い勝手の良い物を作りたい!」そんな思いから、異物混入の問題に取り組み続けてきた私たちサンロードが開発した製品が「窓換気ネット」です。
「窓換気ネット」は、通気性と捕虫性能の高いネットで窓の開口部をすっぽり覆ってしまうという、新しい発想の虫対策アイテム。窓全体を覆っているので、網戸のように窓の開け方を間違えて虫の侵入を許すことはありません。全開でも半開きでも、同じシャットアウト効果があります。
また窓換気ネットは非常に目が細かいのが特徴で、目の大きさはわずか0.25mm(約80メッシュ)。一般的な網戸(18メッシュ)では網目をすり抜けてくる、0.5mm程度の小さな虫の侵入も防ぐことができます。目は細かいですが、換気に必要な通気量は網戸とほぼ変わりません。
さらに窓換気ネットは、網戸のようなフレームがなく、窓枠に貼り付けたマジックテープに固定する方式を採用しています。室内から取り付けできるので取り付け作業も簡単で、網戸サッシがない窓にも設置でき、フレームの歪みでネットを傷めることはありません。普通の四角い網戸では難しい形や取り付け方にもオーダーメイドで対応可能です。
「窓換気したいけど、窓に網戸がついていない」「網戸では虫がすり抜けてしまう」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ「窓換気ネット」のご利用をご検討ください!
「窓換気ネット」について詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.sunroad-nara.co.jp/product/madonet/
まとめ
今回は、窓換気で虫の侵入を防ぐ方法について考えてみました。ほとんどの方は、その対策として網戸を思い浮かべると思いますが、網戸も虫対策に万全というわけではないんですね。
この記事は1月のさむ~い時に書かれたものですが、暖かくなってくると虫はどんどん増えてきます。ぜひ今のうちから万全の備えをしておきましょう!
【参考文献】
WEBサイト
おまけ:小さい虫・大きい虫
今回「小さい虫なら網戸の目を抜けてしまう」という話がありましたが、ところで、世界で一番小さい虫ってどのくらいかご存じですか?
チャタテムシの卵寄生バチの一種「ディコポモルファ・エクメプテリギス」(長いっ!)のオスの最小個体は、体長わずか0.139mm。これが現在確認されている最も小さい虫だそうです。もう80メッシュでも余裕で抜けてこれます。おそるべし。写真はちょっとアレなので載せません。
ちなみに、世界で一番大きい虫は「ヘラクレスサン」という蛾の仲間(写真)で、羽の両幅28cmにもなるんだとか…こんなのが飛んできたら一生トラウマになりそうです。
それにしてもこのコラム、ちょいちょい虫の話書いてるな…次はもう少し女子らしいテーマにします(汗)