異物混入ラボ | 異物混入対策を本気で考える情報サイト

異物混入ラボでは、食品工場や薬品工場で発生するさまざまな異物混入の問題に取り組んでいます。中でも、虫の混入対策については力を入れていて、「観測レポート」でも虫の生態を定期的に追いかけています。(ぜひ見てくださいね♪)

虫の侵入を食い止めるには、まず虫のことをよく知らなきゃ!
「敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず」という言葉の通りです。
そこで今回は、この「虫」について深堀りしていきたいと思います。

「虫」ってどんな生き物?

皆さんは「虫」といわれて、まずどんな生き物を想像しますか?
「そんなの想像もしたくない!キモいっ!」…ま、まあそう言わずに。

ちょっと考えてみるだけでも、カブトムシやクワガタ、バッタ、セミ、テントウムシ、トンボ、ハエやカ、ダンゴムシなど、たくさん出てきます。

実はこの地球は、「虫の国」と言っても過言ではないほど多くの種類の虫が生息しています。
現在分かっているだけでも、世界から約100万種、日本から約3万種の虫の存在が記録されているそう。何しろ、地球上にいる動物のほぼ7割は虫だというのですから、その数の多さがうかがえますよね。

そして私たちが普段「虫」と呼んでいるものは、「昆虫」と、昆虫以外の虫に分かれます。
昆虫は、次にあげる3つの特徴を持っています。

①6本の脚を持つ
②体が頭部・胸部・腹部の3つに分かれている
③成虫には普通4枚の翅(はね)がある

つまり、脚が6本でないクモやムカデ、ダンゴムシなどは、昆虫じゃないということです。
ちなみに、クモは「クモ類」、ムカデは「ムカデ類」、ダンゴムシは「甲殻類」という、それぞれ「節足動物」の中の一種になります。そして昆虫も、「昆虫類」という節足動物の仲間です。あぁ、ややこしい…。

異物混入の原因になりやすい虫たち

さて、昆虫の中には、さらに約30種類の「目(もく)」という分類があります。
バッタ目、トンボ目、コガネムシ目、チョウ目…といった具合です。
これを全部紹介していると「昆虫ラボ」になってしまいますので(笑)私たち異物混入ラボが特にターゲットとしている、異物混入の現場でよく見られる種類に限定して見ていきますね。

ハエ目(双翅目)

世界中で約9万種存在する、非常に種類の多いグループのひとつです。日本だけでもすでに6千種類以上が確認されています。
普通の昆虫は翅(はね)が4枚あるのに対して、ハエ目の昆虫は、見た目には2枚しかありません。これは、後ろの翅2枚が退化して別の器官に変わっているためです。
(ハエ目の主な昆虫)ハエ、カ、アブ、ガガンボなど

カメムシ目(半翅目)

日本国内では3千種類ほどが知られています。口がストロー状になっているのが特徴で、この口で植物の汁や体液を吸います。また硬い翅を持たないものも多いです。
草食もいれば肉食もいる、陸生もいれば水生もいる、その形態や生態は非常にバラエティに富んでいます。
(カメムシ目の主な昆虫)カメムシ、セミ、アメンボ、アブラムシなど

甲虫目(鞘翅目)

世界中で約30万種存在する、昆虫類で最大のグループです。日本でも8千種類以上が確認されています。形態も様々で、大きさは0.3mmに満たないものから10cmを超えるものまで様々。
革質化した堅い前翅が特徴で、これが鞘(さや)のように背面を覆うことから「鞘翅目」という名前が付いています。
(甲虫目の主な昆虫)コガネムシ、カブトムシ、カミキリムシ、ホタル、テントウムシなど

チョウ目(鱗翅目)

世界には約5千種ほどが知られています。このグループの大きな特徴は、翅に鱗粉(りんぷん)を持っているという点です。鱗粉は毛が変化したもので、翅を鮮やかに彩るとともに水をはじき翅を保護します。
いわゆるチョウやガがここに分類されますが、全体から見るとチョウよりもガのほうが圧倒的に多いそうです。
(チョウ目の主な昆虫)チョウ、ガなど

ハエの仲間に気をつけろ!

異物混入されやすい昆虫のグループをいくつかご紹介しましたが、これらの中から今回は、「観測レポート」でもよく発見されているハエ目(双翅目)の虫について、スポットを当ててみたいと思います。

『日本昆虫目録』によると、日本国内には14,500~22,300種の双翅目がいるとされています。
ハエとかカって、そんなに種類いたんですね!
でも一方で、そのうち半分以上は未解明のものなんだとか。虫の世界は、まだまだ謎が多いようです。

そんな双翅目の特徴は、上にも書きましたが、本来昆虫には4枚あるはずの翅(はね)が、2枚しかないこと。「双翅目」と呼ばれるのはこの特徴のためです。
これは、後翅にあたる2枚が、進化の過程で平均棍(へいきんこん)という器官に変化したため。平均棍はマッチ棒のような小さな構造をしており、虫が飛翔する時に体のバランスを取るために使われます。

ハエ目の虫たちは、伝染病を媒介したり、農作物や花を食べたり、不衛生だったりで、ほとんどの場合「害虫」として扱われています。正直、イメージ良くないですよね…。
それだけに、こうした虫が製品に混入してしまっては一大事。なんとしても、工場内には侵入させないよう対策を講じなければなりません。

よく侵入してくるハエ目の虫・ベスト3

ハエ目の昆虫の中から、特に異物混入の原因となったケースが多くみられる3種類をご紹介いたします。

ユスリカ

ハエ目ユスリカ科に属する昆虫で、日本に約500種いると言われています。名前の由来は、幼虫が水底でユラユラと体をゆすっている様子からだとか。見た目はカ(蚊)と似ていますが、血は吸いません。成虫の体長は0.5㎜~10㎜程度です。

水たまりや側溝から河川まで、あらゆる水域から発生します。また照明光などに強く誘引される上に飛翔力が弱いので、気流に乗って施設内に侵入し、製品に入り込んでしまいます。食品や包装資材、紙などの表面に圧着することが非常に多いです。

タマバエ

ハエ目タマバエ科に属する昆虫です。玉のような虫こぶ(植物に虫が寄生してできるこぶ状の突起)を作るハエ、というのが名前の由来だそうです。そのため農業害虫としてもよく知られています。

異物混入問題が起きやすいのは、食菌性(腐敗した植物類を食べる種)のタマバエがほとんどで、これは田畑や雑木林などが発生源となります。
ユスリカと同様、光に強く誘引される上に飛翔力が弱く、施設内に侵入してしまうことの非常に多い虫です。また屋内に古い木材などがあると産卵される恐れもあります。体長は成虫で1~3mm程度と小型です。

クロバネキノコバエ

ハエ目クロバネキノコバエ科に属する昆虫です。成虫の体長は多くの場合1~4㎜で、体全体が黒褐色をしていますが、クロバネという名前にもかかわらず実際に黒い翅をした種はそれほど多くないそうです。

クロバネキノコバエも光に向かって飛ぶ性質が強く、工場内に侵入して異物混入事故を引き起こします。
幼虫は湿った場所で様々な有機物を餌とするため、工場敷地内の緑地帯や花壇、落ち葉、側溝の汚泥などが発生源となるケースも少なくありません。また梅雨の時期や秋に林縁部などで大量発生することがあります。

虫の侵入による異物混入対策に最も効果的なものは?

工場や製品への混入異物となるいろいろな虫の中でも、上にあげたようなハエ目の虫たちは特に問題になりやすいものです。
では、どのような対策を取れば良いのでしょうか?

例えば、クロバネキノコバエの発生源となるような落ち葉や枯草を敷地内に放置したりしないというのは有効だと思います。しかし先にご説明したように、これらの虫の発生源は非常に幅広く、どこからやってくるか分かりません。すべての発生源を抑えるのは現実的に無理でしょう。

そこで、工場や施設側での侵入防止対策を行うことになります。
これにもまた色々な方法がありまして、一つ一つを取り上げるのはまたの機会にさせていただきますね。
ここでは、虫の侵入防止対策に大きく2つの方針があることを知っておいてください。

①物理的に遮断する

一つは、物理的に建物内への虫の侵入をシャットアウトする方法です。
例えば次のような方法があげられます。

  • 窓や出入口の改善(網戸、フィルターなど)
  • 壁の改善(隙間をなくす、間仕切り壁など)
  • 前室の設置
  • 扉や遮断装置の設置(二重扉、エアカーテン、シートシャッターなど)
  • 出入口を開放しないルールの徹底

②虫の誘因を防ぐ

もう一つは、虫が誘因される様々な要素をコントロールすることで、そもそも虫が施設に近づかない(近づきにくい)ようにする方法です。
例えば次のような方法があげられます。

  • 光源管理(防虫灯の設置、紫外線カット処理など)
  • 臭気管理(清掃の徹底、ごみの密閉保管など)
  • 温度管理(冬季の排気口など)

どちらも大切な取り組みですが、直接的に効果があるのはやはり①の物理的な遮断ということになります。

物理的な侵入防止対策として最もおなじみなのは、窓に網戸を付ける方法です。
しかし一般的な網戸は、網目の細かさが24メッシュ(0.84mm)~30メッシュ(0.67mm)程度になっています。これでも大体の虫は防げますが、微小なユスリカなどは網戸の隙間を抜けて屋内に侵入してしまいます。

そこでおすすめしたいのが、当社の「とおさないフィルター」です。

この製品は、標準タイプが0.3×0.5mm前後(70~80メッシュ相当)、目の細かいタイプが0.15×0.4mm前後(90~100メッシュ相当)と、フィルターの目がとても細かいのが特徴。窓の通気性を維持しながら、小さな虫の侵入をしっかりガードしてくれます。

取付はマジックテープで容易に設置可能で、10㎜単位で様々な形にオーダーメイドできますので、窓枠や空調ダクト、給・排気口などの様々な箇所に設置ができます。

まとめ

いかがでしたか?
一口に虫といっても数えきれないほどの種類があって、その中でも、異物混入問題としてマークしておくべき虫のことを知っていただけたかと思います。

今回は具体的な対策の仕方についてはほとんど触れられませんでしたが、これから機会をみて少しずつご紹介できたらと思います!

【参考文献】

WEBサイト

書籍・資料

  • 『日本昆虫目録』第8巻(日本昆虫学会)
  • 『食品に混入し苦情となった虫類の検査結果(平成18~20年度)』(東京都健康安全研究センター研究年報)
  • 『HACCP基盤強化のための衛生・品質管理実践マニュアル(2014年版)』(一般財団法人食品産業センター)

おまけ:あっちいって!蚊を寄せ付けない3つの方法

今さらですが、蚊って、ほんっっっっっっっと、イヤですよね?
さされてカユいのも嫌だし、さされなくても、耳のそばでプ~ンとやられるのも不快です。

そこで今回は、お部屋やアウトドアで、蚊にさされないためにできる予防策を3つご紹介します。虫よけスプレーや蚊取り線香とあわせて、ぜひやってみてくださいね。

◆ビールやお酒を控える

蚊は、汗に含まれる乳酸や二酸化炭素、体温を敏感に察知します。
汗・二酸化炭素・体温上昇の3つをできるだけ抑えるのが、蚊を避けるのに大切なポイントです。
ビールやお酒を飲むのは、この3つ全部を高めてしまう危険行為。蚊に狙われてしまう可能性が高くなります。
お酒に酔っていたら蚊が寄ってきた、ではシャレにもなりません。

◆白や黄色の服を着る

蚊は、白と黒の2色しか色を感知できず、また黒に近い色を好むといわれています。
黒や黒系の服を着ていると、それだけ狙われやすく、さされやすいということです。
「アタシ、黒が似合う大人の女なの」という人も、蚊の多い野山に出る時はおとなしく白や黄色の服を着ましょう。
肌を露出しない長袖・長ズボンだとなお良いです。

◆アロマをたく

シトロネラやレモングラス、レモンユーカリ、ミントやゼラニウムなど、柑橘系・ハーブ系のアロマや芳香剤は蚊を避けるのに効果的です。
お部屋の蚊が気になるという方は、蚊取り線香がわりにこうしたアロマを使ってみてください。
女子力もアップで一石二鳥です♪(男子も可)