私たちサンロードが製造・販売している、衛生帽子をはじめとした衛生対策商品は様々な業種の企業様や店舗様などでご活用いただいていますが、中でも最も多いのは「食品工場」でのご採用です。高度な衛生管理が必要な食品工場で、数ある類似製品の中から当社の衛生帽子をお選びいただいているのは大変光栄に思います。
今回は、当社の開発実績やノウハウをもとに、食品工場で用いる衛生帽子を選ぶ際に重視するべきポイントを解説していきます。衛生管理に関わる方々はぜひご参考になさってください。
食品工場に求められる衛生管理
様々な食品を製造している食品工場では、他ジャンルの製造業以上に徹底した衛生管理が必要です。これは関係者はもちろんのこと、食品製造に関わったことのない方でも容易に想像できるでしょう。
もし製造工程で衛生管理を怠り、製品に異物やウイルスが混入してしまうと、異物混入や食中毒といった問題につながります。こうした食の安全を損なうトラブルは、食べた人たちの健康被害にも直結し、自社や取引先の信頼問題だけでは済まなくなるのです。
そのため食品工場の衛生管理に関しては、様々な法規や基準が定められています。以下はその代表的なものです。
食品衛生法
食品衛生法は、わが国の飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。食品や添加物、器具や容器・包装、広告表示、検査、営業など、食品に関わる様々な項目について安全を確保するための原則が定められています。
食品工場などの事業者に対しては、自らの責任において製造・輸入・加工・運搬・販売等を行う食品等の安全性を確保するため、これに関わる知識及び技術の習得、原材料の安全性の確保、自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない、と規定しています。(第一章第三条)
HACCP
HACCP(ハサップ)は、世界各国で導入されている食品衛生管理の手法です。
食品の原材料の入荷から製品の出荷までに発生する恐れのある「危害要因」を分析し、これを減らしたり除去したりするのに特に重要な工程を定めて管理します。
前述の食品衛生法では、原則として全ての食品等事業者に対して、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求めています。
HACCPについては本サイトのコラムでも取り上げていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
HACCPってどんな制度?今さら聞けない仕組みや異物混入対策との関係を丸わかり
GMP
GMP(Good Manufacturing Practice)とは「適正製造規範」の意味で、原料の入荷から最終製品の出荷に至るまでの全工程において適正な製造管理と品質管理を行うために定めた基準です。
日本国内では法律に基づいたGMPは策定されていませんが、上述のHACCPの前提条件である一般衛生管理としてGMPを取り入れるケースも増えています。また日本健康・栄養食品協会ではガイドラインに則った製造・品質管理の実施状況を評価する「GMP工場認定」を行っています。
まずは日常的な取り組みが大切
食品工場の衛生管理が非常に大切であるのは各種法規からも明らかですが、管理担当者の方々にとっては、工場内の衛生管理のために「実際にどんな取り組みを進めてゆけば良いのか」が大きな関心事でしょう。
これは詳しく掘り下げていくと、工程や設備、職場環境など多方面からの検証や見直し、改善が必要となりますが、ここではテーマを絞って「工場内で働く従業員一人ひとりに求められる取り組み」について見ていきたいと思います。
食品工場における従業員レベルでの衛生管理の手法は職場環境によって様々ですが、一般的な項目として例えば次のような行動をルール化する必要があります。
- 手洗いや消毒の手順
- 作業着や帽子・マスクの着用方法
- 衣服に付着した異物の除去
- 作業エリアの清掃方法
- 廃棄物の適切な処理
こうした日常的な行動から各自が衛生管理の意識を持ち、ルールにのっとった行動を取ることが、製品の品質や安全性の確保につながります。
逆にいくら工場の設備や職場環境を改善しても、そこで働く従業員の間で基本的なルールが守られていなければ、ざるで水をすくうようなもので、衛生管理の問題やトラブルのリスクを根本的に解決するのは難しいでしょう。
食品工場で使っている帽子を見直そう!
上にあげたのは一例で、食品工場の衛生面向上のために日常業務の中で従業員ができることは色々あると思います。同じ現場で働く皆様と共通認識を持って、衛生的な職場を維持するために実践していきましょう。
その上で、私たち異物混入ラボがおすすめしたいのは、食品工場で用いる帽子の見直しです。
手洗いや消毒、清掃といった行動は「衛生面の向上」に直結しているため、多くの場合、職員間でルール設定や取り決めが十分なされています。一方で、「職場でどんな帽子をかぶるか」と、衛生環境の改善が結びつく方は多くないのが実情で、案外、無頓着になってしまっているケースも少なくないのです。
食品工場の帽子の種類
食品工場で衛生帽子や作業服を着用する理由は色々ですが、最も重要なのは工場内の衛生管理のためです。日々、全ての従業員が環境に適した衛生帽子を正しい方法でかぶることは、場内をより衛生的にし、製品への異物混入などのトラブル防止になります。
では食品工場の帽子はどんな製品を選べば良いのでしょうか。
これについてご説明する前に、衛生帽子にはどんな種類があるのかを把握しておきましょう。
衛生帽子の種類は、大きく分けると、頭髪に直接かぶせる「インナーキャップ」と、その外側にかぶせる「アウターキャップ」の2種類です。
またアウターキャップの中には、「フードタイプ(ケープあり)」「フードタイプ(ケープなし)」「帽子タイプ」の3種類があります。
インナーキャップ
頭髪に直接かぶせる薄手のキャップです。基本的にはアウターキャップの下に着用し、頭髪全体を覆うことで毛髪やフケなどの落下リスクを低減します。
毛髪がからみやすいメッシュ生地が多く用いられます。また形状も、頭周りをベルトで安定させるタイプやフルフェイスタイプなど様々です。
アウターキャップ
インナーキャップの上からかぶるキャップです。形状や機能面の異なる様々な製品が市販されています。
フードタイプ(ケープあり)
顔面を除く頭部(首から上)全体を覆い、さらにケープ(後頭部から肩周りを覆う大きな布)を装着するタイプのアウターキャップです。
ケープは上着の襟元から中にしまいこむため、毛髪や体毛が外に出るリスクがありません。ここでご紹介する中では、毛髪落下防止効果の最も高いタイプです。
フードタイプ(ケープなし)
頭部から耳・えり足まで覆うタイプのアウターキャップです。ケープが付いていないため首回りは露出します。
「ケープあり」よりも低コスト。また首から下がすっきりしているので作業性に優れ、着脱も楽ですが、毛髪落下を防ぐ効果は劣ります。
帽子タイプ
一般的な帽子・キャップに似た形状のアウターキャップです。つばが付いてあり、おでこからえりあしまでの頭部を覆います。
他タイプよりも軽量で着用感が良く、スタイリッシュなので店舗の制服や軽作業時の衛生帽子に利用されます。衛生面の効果はあまり期待できません。
食品工場の帽子選びで失敗しないためのポイント3選
このように衛生帽子には様々な種類がありますが、より高水準の衛生管理を求められる食品工場で着用する衛生帽子を選ぶポイントは、次の3つにあると考えています。
食品工場の帽子を選ぶポイント1「異物を落とさない」
食品工場の帽子に求められる最も重要な効果は、もちろん「衛生管理」につながるものです。つまり衛生帽子の中の毛髪や汚れを、いかに外に落とさず捕捉しておけるかの能力で選ぶ必要があります。
異物を落とさないためには、まずは毛髪がからみやすい素材やメッシュ生地、帯電性のある素材で作られた製品を選ぶと良いでしょう。帯電性のある素材は、静電気力により毛髪や小さな浮遊物を吸着させる効果があります。
また素材だけでなく、衛生帽子の形状・設計も重要です。おでこやこめかみ、えり足の毛髪がはみ出ない、顔にフィットしやすい作りになっているかも確認しましょう。
食品工場の帽子を選ぶポイント2「通気性が良い」
食品工場では、加熱調理などの製造工程により、業務中の室温や湿度が高くなるケースがあります。もちろん温度管理が行われていれば極端に部屋が暑くなることはありませんが、それでも通常の作業よりも高温・高湿度の部屋での作業になることは十分にありえます。
そんな場合に衛生帽子に求められるのは、何と言っても高い通気性です。特に衛生帽子は長時間かぶり続けることが多いため、衛生帽子の通気性が良くないと帽子の中で汗をかき、中が蒸れてくるため不快感はとても大きくなります。不快なだけならまだしも、これが原因で無意識に帽子を触ったり、ずらしたり、あるいはかぶり直したりすると、その時に毛髪が落ちて異物混入につながる恐れもあるため、衛生面からも良くありません。
食品工場の帽子を選ぶポイント3「洗濯に強い」
食品工場で働くスタッフにとって、帽子や作業服の汚れは厳禁です。非衛生的である上、汚れ自体が異物混入の要因となります。特に汚れが付きやすい製造工程の従業員は衛生帽子などの汚れに細心の注意を払いたいものです。汚れを見つけたらすぐに洗い、常に清潔な衛生帽子を着用する必要があります。
そこで、食品工場の帽子を選ぶ時は、頻繁に洗濯を繰り返してもなるべく傷まない、型崩れがしにくい製品を選ぶのが理想です。素材や形状を工夫した、洗濯に強い衛生帽子も市販されていますので探してみてください。
もちろん「汚れれば交換すれば良い」という考え方もありますが、交換・廃棄のコスト面を考えるとより丈夫であるに越したことはありません。
食品工場の帽子には「サニキャップ」がおすすめ!
食品工場の衛生帽子を選ぶ際に必ず押さえておきたいポイントは
- 異物を落とさない
- 通気性が良い
- 洗濯に強い
この3つだと申し上げました。そしてこの3点を高いレベルで実現した、私たちが自信を持っておすすめする衛生帽子が「サニキャップ」です。
「サニキャップ」は、食品工場などで起こる異物混入トラブルを防ぐために様々な改良を重ねた、高性能な衛生帽子(アウターキャップ)です。
高い清浄度が要求される食品工場でも使用できるよう、本製品は顔との密着性・フィット性にこだわり抜いて開発。独自の素材と確かな縫製技術によって肌と帽子の隙間をシャットアウトし、毛髪落下を防ぎます。
また通気性と伸縮性に富んだ素材によってかぶり心地は非常に快適です。もちろん耐洗濯強度テスト済みですので、洗濯による型くずれも少なく、長く清潔にお使いいただけます。
詳しい商品説明はサンロード公式サイトをご覧ください。
https://www.sunroad-nara.co.jp/product/sanicap/
自社の職場環境に適したオリジナルの衛生帽子が欲しい方は
さらに「サニキャップ」は、オーダーメイドによって貴社オリジナルの衛生帽子をご提供することが可能です。
食品工場の職場環境や業務体制によっては、既存の衛生帽子では満足できない現場の従業員から「職員を識別できるようにしたい」「細かいサイズ展開が欲しい」など、衛生帽子に関して様々な要望が寄せられることもあるのではないでしょうか。
豊富なカスタマイズ事例をもとに、最高の「サニキャップ」を開発する体制がありますのでお気軽にご相談くださいませ。
衛生帽子のオーダーメイドについて詳しくはこちらをご覧ください。
https://ibutsu-lab.com/ja/ordermade/
まとめ
今回は「食品工場で使う衛生帽子」をテーマに取り上げてみました。衛生的でなければならないのはもちろんですが、それだけではダメなんですね。食品工場の帽子の変更などを検討される際はぜひご参考になさってください。
これからも食品工場で頑張る皆様のお役に立てる製品をより多く生み出していきたいと思います!