食品や精密機器の製造工場などにおける異物混入対策に欠かせないアイテムの一つが「衛生帽子」です。工場内で働く人たちの頭から落ちる毛髪をキャッチして商品への落下を防ぐ衛生帽子は、衛生面の配慮が必要なほとんどの工場・作業所で利用されているのではないでしょうか。
現在は多種多様な形状・性能の衛生キャップが市販されていますが、企業が衛生帽子を選ぶ時に忘れてはならない大切なポイントがあります。衛生帽子の製造・カスタマイズに長く関わってきたメーカーとして、ぜひ皆さまに知っていただければと思います。
衛生帽子をどうやって選んでいますか?
ところで、皆さまの会社ではどんな衛生帽子を着用されていますか?
社内で使う衛生帽子・衛生キャップを従業員個人が決めることはまれで、その職場環境で衛生管理に携わる方々によって選定されるのが普通です。また実際に着用する従業員の意見をアンケートなどで取り入れながら選ぶこともあります。
それでは、一般的に衛生帽子を選ぶ際にはどういった点が重視されるものでしょうか。
試しに、インターネットでよく検索されている「衛生帽子」「衛生キャップ」を含めたキーワードを調べてみると、次のような言葉が見られます。
「衛生帽子 おしゃれ」
「衛生帽子 使い捨て」
「衛生帽子 100均」
「衛生キャップ 100均」
もちろん、いかにも業務用という見た目よりもオシャレなほうが良いに決まっていますし、大量に使われる工場では安さは一番の魅力でしょう。
それでも、衛生帽子を選ぶ理由としては、これだけじゃいけないと思うのです。
何のために衛生帽子をかぶるのか
そもそも、衛生帽子をかぶる目的は何のためでしょうか。
冒頭でも触れた通り、衛生帽子・衛生キャップを使う一番の目的は「異物混入対策」です。人の頭からは毎日数十本の毛髪が抜け落ちており、その毛髪が異物混入トラブルの主な原因となっているのは、この「お役立ちコラム」の中でもたびたび申し上げてきた通りです。また毛髪そのものだけでなく、毛髪にからまった空気中の汚れや塵が落下して異物混入となるケースもあります。
衛生帽子は、こうした毛髪や異物をキャッチして落下を食い止め、異物混入トラブルの発生を抑える役割を担っているのです。
もし製品に異物が混入してしまうと、商品を手にした消費者に不信感や不快感を与えるだけでなく、食品や医薬品への異物混入は健康被害をもたらすリスクもあります。メーカーや店舗の信頼は損なわれますし、消費者からのクレーム対応や損害賠償、さらに場合によっては製品の回収・生産中止といった大きな問題に発展しかねません。これは企業にとって大きなダメージです。
特に今日は様々な情報がインターネット上で拡散しやすい状況にあり、企業のトラブルや失態はすぐに世間の知るところとなります。異物混入に限らず、企業は不測のトラブルに対してこれまで以上にリスク管理を厳しくしなければならないでしょう。
見た目よりもコストよりも、何より「異物混入を防げるか」を第一に考えて衛生帽子を選びたいものです。
「HACCP対応」にも関わる衛生帽子選び
食品工場を運営・管理されている企業様にとって、異物混入を防ぐ衛生帽子を選ぶべき大切な理由はもう一つあります。
今、食品製造や飲食業に関わる方々が最も注目しているテーマの一つが「HACCP(ハサップ)」でしょう。
HACCPとは、食品の製造過程に関する国際的な衛生管理手法です。原材料の入荷から製品の出荷までに発生しうる「危害要因」を分析し、それを確実に減少・除去するために特に重要な工程を連続的に管理するという手法をとっています。
現在HACCPは最も優れた安全管理手法として世界各国で導入されており、日本では2021年6月から原則としてすべての食品事業者に対して「HACCPに沿った衛生管理」が義務化されています。
またHACCPを導入する前提条件として、工場・施設の基本的な衛生管理体制の整備が必要ですが、その指針には「従業員の衛生管理」という項目が設けられています。従業員一人一人が、より衛生的な衛生帽子や服装を着用するのはHACCP対応において非常に大切なのです。
コストや見た目よりも大切な2つのポイント
「異物混入を防ぐ効果が高い衛生帽子」とは、具体的にはどのようなものかを考えてみましょう。
まずシンプルに、衛生帽子の中で抜けた毛髪や頭部についた異物を、外に落とさずキャッチする性能が必要です。衛生帽子のキャッチ力を高めるためには、要は頭部が帽子でできるだけ密閉された状態にすれば良いわけですから、「生地の目を細かくする」「ゴムの締め付けをきつくする」といった方法があります。
その一方で、生地が密であるほど通常は帽子の通気性が悪くなります。特に気温や湿度の高い室内での作業だと、通気性が悪い衛生帽子は作業者の不快感を高めてしまいます。また締め付けのあまりに強い帽子も、かぶり心地の悪いものです。
帽子のかぶり心地が悪いと、業務に集中している方々はつい無意識に帽子を触ったり、ずらしたりしてしまうもの。作業の合間にかぶり直すことも増えるでしょう。こうした動作によって、帽子と頭の隙間から毛髪等が落ちてしまうリスクが増えてしまいます。つまり、衛生帽子の着用感を高めるというのも、間接的に異物混入リスクの低減に役立っているわけです。
ここまで整理しますと、異物混入を防ぐために衛生帽子に求められるのは、
- キャッチ力(毛髪等を帽子の中にとどめる力)
- 着用感(かぶり心地)の良さ
の2点ということになります。衛生帽子・衛生キャップを選ばれる方は、ぜひこの2点を念頭に置いて各種製品を選定していただきたいと思います。
異物混入対策に選んでいただきたい衛生帽子は
毛髪のキャッチ力を高くしながら、締め付けや着用感の快適な衛生帽子を作るにはどうすれば良いか──
私たちサンロードは、異物混入対策を考える上でこの問題に長く取り組んできました。そして生まれたのが、当社オリジナルの衛生帽子「電石帽」と「サニキャップ」です。
電石帽
「電石帽」の特徴は、何といっても圧倒的な毛髪キャッチ力。
大手化学メーカー・東レ株式会社が開発した帯電不織布「トレミクロン®」を使用しており、繊維一本一本が持つ電気の力で毛髪や小さな異物を強力に吸着します。その吸着力の強さは、こちらの拡大写真を見ていただいていもお分かりでしょう。※
素材自体にキャッチ力が備わっているので、快適な通気性を保ちながら、毛髪落下をしっかり防いでくれるのです。
帯電効果をうたう衛生帽子は他にも多数ありますが、これだけ強力に毛髪をとらえる力があるのは電石帽だけだと自負しております。
吸着効果の比較実験を行いましたので、ご関心のある方はぜひご覧ください!
サニキャップ
「サニキャップ」は、とにかく「着用感」にこだわった高機能衛生キャップです。
毛髪落下や異物混入を防ぐためには、いかにして帽子と肌との隙間を作らないかが大切になります。サニキャップは、大手メーカーとの開発により通気性と伸縮性に富んだ独自素材を使用。国内自社工場での確かな縫製技術のもと、どんな方にも「ぴったりフィットしていて、しかも優しい」と感じていただける、理想のかぶり心地と動きやすさを実現しました。
形状や機能面においても、毛髪落下防止と着用感アップにつながる専門メーカーならではのノウハウが随所に生かされています。
大手企業に選ばれる品質
工場等での毛髪落下対策は、ここで取り上げた衛生帽子だけではなくエアシャワーや粘着ローラーなど様々な手法があり、いずれも重要な取り組みです。また異物混入対策への意識は業種や職場環境によっても違うものですので、「衛生帽子に、そこまでこだわる必要ある?」と思われる方も多いかもしれません。
しかし先に申した通り、異物混入にまつわるトラブルは万一発生すれば企業にとって大きなダメージとなります。もし貴社が「今より少しでも、毛髪混入や異物混入の危険性を下げたい」とお考えでしたら、電石帽やサニキャップのような高性能の衛生帽子をぜひご採用くださいませ。
おかげさまで、電石帽とサニキャップはこれまで数多くの企業様にご利用いただいています。
特に電石帽は、平成元年の発売以来、30年以上にわたり販売されているロングセラー商品となっており、次のような大手企業様でもご採用いただいています。
これらの企業様に共通しているのは、異物混入対策への意識が非常に高い点です。
正直、電石帽やサニキャップは他の類似製品と比べると価格は高めになりますが、それでも当社の製品を選んでくださっているのは、「多少コストをかけてでも、お客様の安全には代えられない」という気概からではないでしょうか。
もちろん、サンロード製品の品質を高くご評価くださっているというのも確かだと思います。改めて企業様に、感謝、感謝です!
まとめ
今回は衛生帽子を選ぶ時の考え方についてご説明しました。
値段の安さばかりを見るのでなく、“そもそも衛生帽子は何のためにかぶるのか?”という原点に立ち返るのが大切ということですね。
貴社の異物混入対策に、私たちの衛生帽子が少しでも貢献できればうれしいです!