異物混入ラボ | 異物混入対策を本気で考える情報サイト

毛髪混入対策の3原則は「持ち込まない」「落とさない」「留めない」の3つ。この異物混入ラボでもたびたびテーマに取り上げている大切なポイントです。
そして「毛髪」混入対策と聞くと、ほとんどの方がまず考えるのは、毛髪のもとである頭部への対策だと思いますが、実は毛髪を「持ち込む」ルートは頭だけではなく、足元にもあるんです。実際、異物混入のほとんどは床に落ちた毛髪やゴミが原因だともいわれます。
そこで今回は、足元からの異物混入対策について考えていきましょう。

見落としていませんか?足元からの異物混入

食品工場などクリーン性が求められる作業所では、作業員が外から毛髪などの異物を持ちこまないように衣服に粘着ローラーを使用したり、エアシャワーで異物を吹き飛ばすなどの対策をとっていると思います。

ですが、こうした対策も100%完璧ではありません。わずかでも完全に取り除かれずに残った異物は、体から離れれば足元に落ちていきます。また空気中にある小さなほこりや塵も時間と共に床に落下します。目には見えにくいですが、床にはたくさんのゴミやほこりが散っているのです。

もし誰かが汚れた床や足場を踏み、その汚れが靴底にくっついたまま作業場に入ってしまったら、いくら頭や服に全く異物が付いていなくても意味がありません。この「足元ルート」で室内に持ち込まれる毛髪や異物は少なくないのです。そしてこの異物が風などで舞い上がり、商品に混入してしまうリスクもあります。

また、靴底は帽子や衣服に比べて目視での確認がやりにくいため、どうしても確認がおろそかになりがちです。だからこそ現場管理者は、目視に頼らない足元の異物混入対策をきちんと講じておく必要があります。

靴底からの異物侵入を防ぐアイテムはこれだ!

毛髪やごみを靴底にくっつけて室内に持ち込んでしまわないための衛生対策で、異物混入の可能性を一層抑えられます。
靴底からの異物混入対策に使える代表的な製品に、「粘着マット」「靴底洗浄機」「シューズカバー」の3つがあります。

粘着マット


表面に粘着性のある足マットです。マットの上に乗ると、靴底に付いていた小さなゴミや毛髪がマットに付着し、靴底から取り除いてくれます。足裏の異物対策としては最もポピュラーな製品でしょう。
エアシャワーや更衣室、前室など、作業者や台車の出入りする部屋の前後の足元に敷いて使われます。

粘着マットの形状には、粘着剤の付いたシートが何層にも重なっている剥離タイプと、マットの素材自体に粘着力があり洗って繰り返し使える剥離不要タイプがあります。前者のタイプは、シートの残数が分かるよう連番がついているものが多いです。

付着物が目立ちやすいよう、マットの色は白か青が多く使われますが、毛髪混入対策をより重視したい場合は白色の製品がおすすめです。
また強粘着タイプや帯電防止タイプなど特殊な性能を持つ製品もあり、用途に応じて選ぶことができます。

粘着マットの長所

粘着マットで靴底の汚れを除去するには、作業者はマットの上を歩くだけで良く、非常に簡単かつ短時間で使えるのがメリットです。

また粘着マットは、足の裏の汚れ具合が目に見えて分かります。これにより、日頃靴をきちんと洗っているか、マットを設置している部屋が掃除できているか、といった衛生状態の「見える化」にも役立ちます。作業員の意識付けにもなるでしょう。

粘着マットの短所

靴の裏が濡れる環境では、マットの粘着力が落ちるため適しません。
また剥離タイプの粘着マットは、同じ部分を踏み続けると粘着力が落ちる、靴底のくぼみに入ったゴミが取れづらいなど除去性能がやや不安定です。

逆にあまりに粘着力が強力だと上を歩きづらく、靴がゆるいとつまづいて転倒するリスクもあります。

定期的なシートの取り替えやマットの洗浄が重要!

上の「短所」でも触れましたが、粘着マットは使用するたびに毛髪・ゴミなどが付いて粘着力が落ちていきます。粘着力がなくなれば、当然、異物混入のリスクも上がります。
剥離タイプの粘着マットは、交換時期(1日1回、数時間に1回など)を決めて定期的にシートをはがすようにしてください。剥離不要タイプも同様に、マットを洗浄する頻度をルール化して実践しましょう。「知らないうちに、異物がくっつかない状態で使っていた」なんてことになったら大変ですよ!

靴底洗浄機


その名の通り、靴底を洗浄してくれる製品です。食品工場や医薬品工場など、高いレベルの衛生管理が求められる工場や施設で使用されます。

一般的な靴底洗浄機は、金属製の箱に手すりが付いた台車のような形状をしています。足を載せる部分の下には洗浄用のブラシが仕組まれており、このブラシが水平運動を繰り返して靴の裏を磨きます。上に乗るとセンサーが稼働して自動的に動く電動式や、電源不要の手動式もあります。

また洗浄の仕方には、水を使わずブラシのみでドライ洗浄する乾式タイプと、水や洗浄液で靴底を濡らしながら磨く湿式タイプの2種類があります。
乾式タイプは軽度の汚れや水で変質する汚れ(小麦粉など)の洗浄に向き、水気を嫌う工場でも使えます。湿式タイプは粘りのある汚れや油汚れの洗浄に最適です。

靴底洗浄機の長所

何といっても、汚れの除去力の高さが一番のメリット。粘着マットではなかなか取れない油汚れやこびりついた汚れもしっかり磨いて落とすことが可能です。靴底にある凹凸のくぼみや溝の中に入り込んだごみも除去してくれます。
靴底の清潔が保たれれば床も汚れにくくなり、作業環境全体のクリーン化にもつながります。

靴底洗浄機の短所

機械ですので定期的にメンテナンスをしないと故障の恐れがあります。また湿式タイプは洗浄水の交換が必要です(交換不要な給排水配管タイプもあります)。
粘着マットに比べると、一人が洗浄を終えるのに時間がかかる点や導入コストが高い点もデメリットです。

シューズカバー


靴をはいたままで上から装着する、袋状のカバーです。
天気の悪い日に雨や泥はねから靴を守る、屋外用のシューズカバーもありますが、ここでいう異物混入対策を目的としたシューズカバーは、その逆で、靴に付いた汚れやゴミを外に出さない(作業場に落とさない)ために装着します。

なるべく歩行性を損なわないよう、PP(ポリプロピレン)など軽量の薄い生地で作られています。ほとんどの製品は使い捨てですが、繰り返し使える帆布製のシューズカバーもあります。
靴底に滑り止め加工を施したもの、通気性や撥水性を持たせたものなど種類も様々です。使う場所にあわせてお選びください。

シューズカバーの長所

靴の上からすっぽり覆うので、靴に付いた異物を作業場に侵入させることはほぼ皆無です。使い方もシンプルで、粘着マットのように使い方によって効果が変わる心配もありません。
また粘着マットや靴底洗浄機は原則一人ずつ順番に使用しますが、シューズカバーは大人数でも一斉に装着でき時間がかかりません。工場見学などで使われることが多いのはそのためです。

シューズカバーの短所

軽量に作られているとはいえ、装着時の歩行性・作業性の悪さはネックです。靴底のグリップもきかなくなります。動きのある作業を続けていると、シューズカバーがずれてくるリスクも。来客用など限定的な機会で使うのが良いかもしれません。
また、基本的に使い捨てなので使用後のカバーの処理方法も考える必要があります。

基本ですが…掃除も大切!

上にご紹介した3つのアイテムは、それぞれに長所・短所があり一概に「これがベスト!」といえるものではありません。皆さんの職場の状態や作業者の行動にあわせて適したものをお選びください。

また、上記の対策はいずれも靴に付着してしまった汚れを取り除く、あるいは落とさないためのものでしたが、そもそも靴に汚れをつけないようにできれば一番です。
作業者が出入りする部屋の床に、可能な限りゴミやほこりを滞在させないために必要なのは、こまめで丁寧な掃除。社内でルールを決めて、定期的に確実に掃除を行える体制と習慣を作りましょう。

あっ、床だけではなく、皆さんが使われた靴の靴底も汚れを残さないようこまめに洗ってくださいね。靴洗い用のブラシもいろいろな種類が出ていますので、サイズや固さなど、靴に合ったお好みの製品をお使いください。


ズボンの裾からの異物落下を防ぐには


最後に、靴や靴底とは直接関係ないのですが、足元から出る異物への対策として「フットバンド」というものがあるのでご紹介しておきます。

フットバンド(アンクルバンドともいう)は、足首のズボンの裾に巻き付けて使う幅広のバンドです。サポーターのように伸縮性があり、足を通してズボンの裾の隙間が外に出ないよう、覆うようにして装着します。
こうすることで、足のすね毛や体毛が衣服・ズボンの中を通って裾から落下するのを防ぐ効果があります。

仕組みがシンプルで使いやすく、もちろん上記にあげた他の異物混入対策との併用もOK。足元からの異物侵入リスクをより減らしたい方はぜひ活用してください!

まとめ

いかがでしたか?
靴底に対する対策も、帽子や衣服と同じくらい大切であることがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、毛髪の発生源である頭部をしっかりガードするのは大前提。「サニキャップ」で毛髪の落下を食い止めて、それでも防ぎきれなかった毛髪は足元でキャッチ。何重にも対策をとることで異物混入トラブルのリスクは確実に減らせます。
全社一丸となって、異物混入ゼロを目指してくださいね!

おまけ:健康は足元から

本編は「靴の裏」の異物対策がテーマでしたが、ここでは「足の裏」についての小話を。

実は足の裏の「色」を見ると、その人の内臓の健康状態が、ある程度分かるんですって。
足療法家の市野さおりさんによると、土ふまず周辺の足の色が、内臓の状態を示すサインになっているのだそう。

  • ピンク:健康的
  • 赤:小腸や大腸が働きすぎて負担
  • 紫:腸内環境のバランスが乱れ、血液やリンパの循環が悪い
  • 黄:暴飲暴食で臓器系のバランスが崩れている可能性
  • 白:腸の収縮運動能力や消化吸収能力が大きく低下

「人の顔色はいつも気にしてるけど、足の裏の色なんて見たことねえや」
そんなあなたも、ぜひセルフチェックしてみてください。
さて、ワタクシの足の裏は…
あれ、なんか黄色い。さては昨晩ちょっぴり飲みすぎたかしらおほほほ(退場)