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私たちサンロードの異物混入対策アイテムとして一番人気の”電石帽(でんしゃくぼう)“。
素材が持つ電気の力で、毛髪やホコリの落下を抑える働きを持った作業用帽子です。

ところで、実は”電石帽”と同じような素材を使って、毛髪の吸着効果をうたっている製品は他にもいくつかあるんです。
「…ここはひとつ、白黒ハッキリしとかなあかんのちゃう?」(なぜか関西弁)
というわけで、”電石帽”や他の製品が、毛髪落下を食い止めるのにどれくらい効果があるのか?比較実験をやってみました!

帯電不織布とは

それでは実験結果を…といきたいところですが、その前に、まずはこれらの製品が持つ特性のキモとなる「帯電不織布」というものについてご説明いたします。

帯電不織布(たいでんふしょくふ)とは、衣類や衛生用品などでおなじみの不織布に、特殊な技術によって永久帯電加工を行ったものです。

繊維の一本一本が電石(電気を持ち続ける物質)となり、布の表面や内部に強い電界を形成します。表面に電気を帯びている状態になり、これによって空気中の塵やホコリ、毛髪や落下菌の微小な物質を吸着する力が生まれるのです。(左図)

もともと帯電不織布は、空気清浄機のフィルターとしての用途で開発されたといいます。通気性を損なわずに、空気中のホコリをしっかり集塵できるためです。
この帯電不織布を、毛髪落下対策という用途に応用したのが私たちの”電石帽”というわけです。

サンロードのオリジナル電石不織布衛生キャップ”電石帽”

電石®不織布の帯電効果によって、毛髪を吸着できる帽子として生まれた”電石帽”は、平成元年の発売以来、30年以上にわたり販売されているロングセラー商品です。

大手化学メーカーの東レ株式会社が開発した”トレミクロン®”という電石不織布を使って作られており、電気分極を持った超極細繊維の不織布の高い電石(帯電)効果によって、毛髪やフケ、ホコリをしっかり吸着します。
帯電効果のない一般の作業用帽子でもそれなりに毛髪を落とさない効果はありますが、”電石帽”はそれに加えて科学の力で毛髪をキャッチ。毛髪落下・混入リスクを大幅に減少しました。

もちろん着用感にもこだわっています。顔周りに伸縮性のあるゴムを使用し、顔とゴムの隙間からの毛髪落下も防止するとともに、びん毛や襟足の毛もしっかりカバーします。

百聞は一見に如かず。ここで手前みそですが、”電石帽”の製品特性を紹介した動画をご覧ください!
まさに魔法のように、毛髪をスイスイ吸い付けてしまう”電石帽”の効果をお分かりいただけるかと思います。

※電石🄬は、株式会社サンロードの登録商標です。
 トレミクロン®は、東レファインケミカル株式会社の登録商標です。

くらべてみよう!他社製品との比較実験

冒頭でも触れましたように、現在、帯電不織布を使っている作業用帽子は当社の”電石帽”だけでなく多くの種類があります。各社それぞれに、生地の品質や性能、風合い、帽子の形状などが異なるわけですが、異物混入対策に対する効果はどのくらい違いがあるのでしょうか?

そもそも皆さまが、普通の作業用キャップでなく「帯電不織布を使った帽子」を検討されているということは、何といってもその性能、とりわけ毛髪の吸着性能に期待されているからですよね。
でも今まで、その最も大切な点についてはきちんと比較検討されていませんでした。この違いが分からなければ、皆さまも商品の選びようがないと思います。

そこで今回、異物混入ラボでは、2つの実験によって各社製品の性能を簡単に比較してみました。

※以下の実験結果は、製品の性能を保証するものではありません。
※保護キャップの表面電荷や毛髪吸着性は、場所、温度・湿度の環境、不織布の状態によって変化し、厳密な効果測定を行うためには恒温恒湿部屋を使用するなどの環境設定が必要があります。

表面電位計測

まずはシンプルに、各製品の電荷の量を同じ条件で計測してみます。
製品の表面にある電荷が多ければ多いほど、毛髪やホコリの吸着効果が高いのは言うまでもありません。

計測方法

  • 摩擦帯電を除去するための時間を取った後、表面電位計測を4日間行いました。
    電荷の量は時間とともに減衰していきますので、その推移を確認するために4日間行っています。
  • 対象製品は、数回洗濯できるデュアラブルタイプの帽子で比較しています。
  • 計測値は、帽子の測定箇所3点を任意で選び、その平均値としています。帽子全体の帯電ではありませんのでご注意ください。

結果

※数値は電圧(V)を表します。

※表はスワイプで横にスクロールできます。

(V)

商品 1日目 2日目 3日目 4日目
当社 (“電石帽”SR-3) 700 500 500 500
A社 100 60 40 40
B社 50 50 40 40
C社 40 20 20 20

この結果からも”電石帽”は、他社製品に比べて表面電位が非常に高く、時間経過後も高い電荷を維持しているのが分かります。
文字通り「ケタ違い」の差があるんです!

毛髪吸着

帯電不織布を使っているということだけで、さも高い吸着効果があるようにうたっている製品もありますが、本当のところどうなのでしょうか?ちゃんと髪の毛がくっついてくれないと、意味ないですよね。
そこで次の実験は、実際に毛髪を帽子に近づけた時にくっつくのか?というテストです。

計測方法

  • アースした除電マットに、5㎝にカットした毛髪を10本置きます。
    ※静電気の影響を取り除くためにアースが必要です。
  • 帽子を板に密着するように置いた後、帽子をゆっくり持ち上げ、帽子に吸着した毛髪の本数を調べます。
  • この作業を製品ごとに3回行い、その平均値を計測値としています。

結果

※数値は吸着した毛髪の平均本数を表します。

※表はスワイプで横にスクロールできます。

(本)

商品 1日目 2日目 3日目 4日目
当社 (“電石帽”SR-3) 9 8 8 7
A社 2 1 1 0
B社 2 1 2 1
C社 2 1 1 1

“電石帽”では10本の試験体の大部分が吸着できたのに対して、他製品ではわずかの本数でしか吸着が確認できませんでした。
また時間が経過した後も、”電石帽”は毛髪吸着性を維持しています。

利用者の評価も高い”電石帽”

ご覧の通り、表面電荷と毛髪吸着性という2つの実験結果からは”電石帽”は、他の製品に比べて非常に優れた性能を持っていることが分かります。

「…自社商品だから、良いように操作してんじゃね?」と勘ぐっている、そこのアナタ!お気持ちは分からなくもないですが、これは間違いなく、私たちが実験を行った結果です。それほど難しい実験ではないので、どうしても信用できないという方はぜひお試しくださいませ。

実際”電石帽”をご利用いただいているお客様からも、毛髪混入防止に効果的だと高い評価を頂いております。
お使いいただけば分かりますが、1日6~8時間の作業で使い終わった後、帽子を確認すると、そこに毛髪がたくさん残っているのが分かります。つまり、それだけ抜けた髪の毛をしっかり保持していたことの表れです。

ただ帯電不織布を使ってさえいれば良いのではなく、本当に吸着効果のある帽子をお探しのクライアント様に、”電石帽”は大きな信頼を頂いています。だからこそ30年以上のロングセラーとなっているわけですね♪
電石帽について詳しくはこちら

まとめ

いかがでしたか?
今回は、帯電不織布でつくられた作業用帽子の効果を比較する実験をやってみました。
正直、皆さまが最初に思っていたよりも、違いは大きかったのではないでしょうか?

毛髪混入のリスクをできる限り少なくしたい企業の皆さまには、「帯電不織布ならばどれでも良い」ではなく、ぜひ性能に注目してお選びくださいね。

おまけ:”電石帽”の仲間たち

初めての実験シリーズ、お楽しみいただけたでしょうか。なんか今までで一番ラボっぽかった気が(汗)

性能はともかく、見た目に”電石帽”と似たような帽子って世に結構出ているわけですが、この”電石帽”にも、いろいろな種類があるのはご存じでしょうか?
…知らない?じゃあ、この機会に宣伝しちゃいましょう。

製品一覧は、こちら!
https://www.sunroad-nara.co.jp/product/denshakubou/about/
どうです、いっぱいあるでしょう。
見た目には違いがよく分からないかもしれませんが、それぞれ機能性や着け心地に特長があり、お使いの現場環境に応じたキャップをお選びいただけます。

特にオススメは、「SR-3 オーベルトUB」というモデル。顔周りと頭周りをベルトで覆っているので、顔にしっかりフィットし、毛髪がはみ出したり落ちたりする心配がありません。ぜひぜひご検討を♪

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