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工場などで発生する異物混入トラブルの中で、最も多いケースは「毛髪」が原因であるもの。その対策のために、多くの企業様では作業者に衛生キャップ(毛髪の落下を防ぐ帽子)の着用と正しい着用方法の指導を行っていると思います。
髪の毛を落とさないためにはキツい(小さい)帽子ほど良いのかもしれませんが、あまり締め付けが強いと不快感になるし、難しいところ。
今回は衛生キャップを着用した時の感覚的評価や、理想的な衛生キャップのあり方について考えていきます。

衛生キャップとは

衛生キャップの形状には大きく分けて次のタイプがあります。
また素材に通気性を持たせたり、デザインをオシャレにしたり、オプションで機能性を高めたりと、様々な工夫が盛り込まれている製品も少なくありません。

フードタイプ(ケープ付き)
後頭部から肩周りを覆う大きな布(ケープ)がついているのが特徴です。
ケープ部を服の襟元から中に入れると、構造上は毛髪が服の外に出ることはなくなります。
フードタイプ
首から上のフード部分のみで構成されたタイプです。
ケープ付きのフードタイプよりも低コストで着脱も楽ですが、毛髪落下を防ぐ効果は劣ります。
キャップタイプ
一般の帽子に最も近いタイプの衛生キャップです。
着脱が簡単で、顔を覆う部分が少ないので快適です。量販店のバックヤードなどでの軽作業に向いています。

衛生キャップに重要なのは「キャッチ力」と「着用感」

これらの衛生帽子・衛生キャップを使う一番の目的は、もちろん異物混入対策にあります。したがって、衛生帽子に求められる能力としてまず重要なのは毛髪を落とさない「キャッチ力」です。

キャッチ力というのは、文字通り、衛生帽子の中で抜けた毛髪を外に落とさずキャッチする性能のことです。この性能が高いほど、異物混入のリスクは抑えられます。
衛生キャップのキャッチ力は、様々な要素から決まります。毛髪がくっつきやすい素材、顔と帽子の隙間ができない形状など、どれも大切な要素です。

そしてもう一つのポイント、異物混入対策に用いる衛生キャップにとってキャッチ力と同じくらい大事なのが、着用感、つまり「かぶり心地」です。

帽子の着用感が悪いと、長時間使っているうちに顔周りなどに負担がかかります。その影響で、つい作業中に帽子を触ってしまったり、イライラして帽子をずらしたりしてしまうと、その時に顔とキャップの隙間から毛髪が落ちてしまうリスクも十分考えられます。

どれだけ毛髪のキャッチ力が優れた衛生キャップも、それは正しく着用されている時の話。正しく頭や顔にフィットした状態を維持するためには、着用感も重要なのです。

衛生キャップの「着衣圧」とは?

衛生キャップの着用感をはかる指標のひとつに「着衣圧(衣服圧)」というものがあります。

着衣圧とは、人が衣服を着用した状態で体を動かした時に、衣服のゆとりだけで動きを吸収できず、衣服と体との間で起きる圧力のことです。簡単に言えば、衣類や帽子の「締め付け感」といったところでしょうか。

着衣圧(衣服圧)が強い、つまり締め付けの強い服や帽子を身に付けていると、普段の動きよりも余計に体に力が入ってしまい、心拍数もわずかに上がります。逆に着衣圧の弱いゆとりのある衣類を着ると、体は動きやすいのですが衣類がゴワゴワし、作業効率が悪くなるという影響もあります。ほど良いバランスというのはなかなか難しいものなんですね。

衛生キャップの「圧」を調べてみた!

実は今回、「異物混入ラボ」ではサンロード衛生キャップ「サニキャップ」を使って、実験で着衣圧を調べてみました。(ちょっとラボっぽいでしょ?)

「サニキャップ」は、工場などの異物混入を防ぐために生まれた高機能衛生キャップ。ミクロのチリさえ許されない生産の場で、異物100%除去を目標に、サンロードの確かな技術力と高い開発能力で作られた製品です。
詳しくはこちら! https://www.sunroad-nara.co.jp/product/sanicap/

実験は、被験者にセンサーを付けてサニキャップを装着してもらい、額・こめかみ・頬・横あご・喉元の5か所で接触圧を測定しました。サニキャップは顔全体を覆う帽子ですが、顔の部位によって帽子と顏との着衣圧が違ってきます。
そして測定部位別に、締め付けについて被験者の感覚を5段階評価で示してもらいました。

こうした実験を行ったところ、次のような結果となりました。


部位別に見ると、キャップを留める「喉」の部位が最も圧力が高くなっています。一方で頬やこめかみにはそれほど着衣圧はかかっていません。
また、圧力に比例して被験者が「きつい」と感じているのが分かります。接触圧がおおむね1Kpa(キロパスカル)を超えると体感的に「きつい」ようです。

伸縮素材(ストレッチ)が近年のトレンド

衛生キャップの着衣圧が必要以上に強いと、キャップ内の毛髪が落ちる危険は減るものの使用者の「きつい」という不快感につながり、キャップをいじったりずらしたりしがちになります。これも毛髪落下のリスクの一つです。

サニキャップ🄬BT3300-G

そこで必要とされるのは、毛髪をしっかりキャッチしながら、かつ着衣圧がほど良く抑えられたキャップ。これを目指して近年は、顔回りをストレッチ(伸縮素材)で覆った衛生キャップも登場しています。

数年前までは、喉元をマジックテープで着脱するタイプの帽子が主流でしたが、現在のトレンドは、マジックテープを取り除いて頭からスッポリかぶる形状のデザインです。サンロードの衛生キャップでは、「サニキャップ🄬BT3300-G」がこれに該当します。
喉元の接触圧がきついというユーザーの意見をもとに、顔回りに伸縮性の高いストレッチ素材を使用し、作業時に顔を動かしやすく、快適に作業できるようになりました。

サニキャップ🄬BT3300-Gについて詳しくはこちら

キャップのサイズを細かく分けているのも意味がある

衛生キャップの装着感ということでもう一つこだわりたいのが、サイズの問題です。
小さすぎる帽子は頭部や首周辺に圧迫感を与え肉体的な痛みやイライラなどのストレスも生じます。
逆にゆるい帽子をかぶると、帽子と肌との間にすき間が生じ、毛髪落下の危険も大きくなります。顔や頭の大きさにぴったりフィットしたものほど快適に使えて、また異物混入のリスクが少ないのは言うまでもありません。

一方で多くのメーカー品では、選べるサイズが一律「フリーサイズ」だったりします。「ちょっと大きいかな?」と思いつつも、他にサイズがないからと使っている人もあるんじゃないでしょうか?

そこで私たちサンロードでは、衛生キャップの規格を標準サイズとしてS・M・L・LLの4サイズ取り揃えています。
また、特に最近は「機能性」と「着用感」に対するお客様の意識が高くなっていますので、個々のご要望やこだわりにおこたえできるよう、標準サイズ以外もフレキシブルにご対応。作業現場の環境に応じてスタッフ一人一人に最適の衛生キャップをご提供できる体制が整っています。
毛髪混入のリスクを少しでも下げたいとお考えの企業様は、ぜひ「使う人にマッチしたサイズ」の衛生キャップをお選びくださいね。

「サニキャップ」製品一覧はこちら

まとめ

今回は、異物混入対策の有効なアイテムの一つ、衛生キャップについて取り上げました。
衛生キャップに求められるのは、毛髪落下を防ぐための「高い機能性」と、適度な着衣圧で不快感のない「快適な装着感」の2つ。
この両方を、より高いレベルで満足させる製品を皆さまにお届けするために、私たちもがんばっていきたいと思います!

おまけ:衛生帽 おでこに残る ゴムの跡


ネットの某知恵袋をながめていると、こんな質問がありました。

「食品工場でバイトを始めたのですが、ヘアネットをかぶり、帽子をかぶって1日やっているので、脱いだ時におでこに跡がついてしまいます
皆さん何か工夫されていますか?」
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12119484172 から一部引用)

そう、衛生キャップって頭回りの締め付けがけっこうキツくて、帽子を取るとゴム跡がついちゃうんですよね。
おでこに跡をつけて外を歩くのは、んー、女子的にはちょっと恥ずかしいっす。

こうしたゴム跡は、蒸しタオルをあてて温めると消えやすいそうです。濡らしたタオルをレンチンでもOK。
これで完全に消えるわけじゃありませんが、何もしないよりは良いと思います。

ちなみに私たちサンロードの衛生キャップは、頭回りだけでなく後頭部にも張力をかけることで、おでこにゴム跡が残らない設計をしています。だから仕事帰りのお買い物も安心♪
実はこうしたキャップを作るためには、レベルの高い縫製技術が必要なんですが、これについてはまたの機会に!

毛髪混入トラブルゼロへ!
作業者の毛髪落下を防ぐ
機能性抜群の衛生帽子

当社サンロードでは、作業者の頭から毛髪が落ちることによる異物混入トラブルを未然に防ぐ、さまざまな製品をご提供しています。

電石帽(でんしゃくぼう)

電石帽(でんしゃくぼう)

東レ(株)開発の電石不織布・トレミクロンを使用した、毛髪落下防止用インナーキャップです。電気分極を持った超極細繊維の不織布が、電気の力で毛髪やホコリ、細菌などをしっかり吸着・捕集。着用感も抜群です。

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サニキャップ

サニキャップ

毛髪の落下・異物混入を防ぐ高機能衛生キャップです。独自の素材と機能で肌にぴったりフィットして隙間を作りません。通気性と伸縮性に富んだ素材で装着感にもこだわりました。さらに多彩なオーダーメイドに対応。

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