これまで「異物混入ラボ」で取り上げてきた異物混入対策は、当社が衛生キャップメーカーだということもあり、多くは食品工場などで発生する毛髪混入に関するものでした。一方、異物混入自体は食品に限らず様々な製造業や小売業で重要な問題として取り組まれており、混入異物の種類やその対応措置も多岐にわたります。
そこで今回はいつもと趣向を変えて、毛髪に限らず一般的な「異物混入」の問題に広く目を向け、その発生原因やリスクについて解説したいと思います。
異物混入とは
「異物混入」の定義について
「異物混入」とは、本来その製品や商品に含まれるべきでない異物が、意図せず混入することを指します。特に食品業界においては、食べ物の安全性や品質に直接影響を及ぼすため、異物混入の防止は非常に重要です。
食品衛生の観点から、「異物」とは消費者が摂取すべきでない異常な物質を指し、その範囲は広範です。食品衛生法では異物混入に関する具体的な基準は定められていないものの、「不良食品」の一つとして扱われることが多く、事業者の管理責任が問われる問題となります。異物混入は、消費者の健康被害を引き起こす可能性があるだけでなく、企業の信用失墜やリコール対応などの経済的損失にもつながります。
また、「異物混入」は食品業界だけでなく、医薬品や化粧品、精密機器、製造業など、さまざまな分野で問題となり得ます。いずれの業界においても、異物混入を防ぐための品質管理と徹底した検査が求められます。
異物の種類
異物は、一般的に以下の3つの種類に分類されます。
1. 動物性異物
動物に由来する異物であり、主に以下のようなものが含まれます。
- 昆虫類(ハエ、ゴキブリ、アリ、ハチなど)
食品の加工・保管環境に生息する害虫が混入するケース。特に製造・物流過程での衛生管理不足が原因となることが多い。 - 哺乳動物由来の異物(ネズミの毛、動物の骨や皮など)
倉庫や製造現場での害獣対策が不十分な場合に発生しやすい。 - 人体由来の異物(髪の毛、爪、皮膚片など)
作業者の衛生管理が不十分な場合に発生することが多く、食品クレームの代表例。
2. 植物性異物
植物に由来する異物であり、次のようなものが該当します。
- 植物の葉や茎、枝、種子
農作物を原料とする食品で多く見られる。例えば、小麦粉に穀物のもみ殻や小枝が混入するケース。 - 紙類、ゴム片
製造機械や包装資材の破損などによって発生。特に製造機械のゴム部劣化による破片の混入リスクがある。 - カビや微生物による汚染
食品の保存状態が悪いと発生しやすい。特に湿度や温度管理の不備が原因となることが多い。
3. 鉱物性異物
無機物や金属など、工場環境や製造工程由来の異物です。
- 金属片(鉄、ステンレス、アルミニウムなど)
製造設備や機械部品の破損によって発生することがある。金属探知機やX線検査機による検出が一般的な対策。 - ガラス片、プラスチック片
製造機械や包装資材の破損によって混入するケース。特に食品の容器(瓶やプラスチック包装)が割れた際に発生するリスクがある。 - 砂や石、小さな鉱物粒子
原材料の処理が不十分な場合に残存する可能性がある。例えば、野菜の洗浄不足で土や砂が混入するケースがある。
異物混入の内訳(統計データ)
様々な種類の異物がありますが、最も異物混入が発生しやすいのはどれでしょうか。
次にあげるデータは、全国150自治体の平成28年~令和元年度における食品への異物混入に関する苦情事例をもとに、混入異物の内訳を集計したものです。
異物の種類 | 件数 | 割合 (%) |
---|---|---|
虫(ハエ・ゴキブリ・虫卵など) | 3,507件 | 23.9% |
合成樹脂類(ビニール・ゴムなど) | 2,565件 | 17.5% |
動物性異物(毛髪・歯など) | 2,504件 | 17.1% |
鉱物性異物(砂・石・ガラスなど) | 2,318件 | 15.8% |
植物性異物(※) | 1,082件 | 7.4% |
食品の一部 | 986件 | 6.7% |
寄生虫 | 403件 | 2.7% |
絆創膏 | 111件 | 0.8% |
その他 | 1,208件 | 8.2% |
出典:全国における食品への異物混入被害実態の把握(厚生労働科学研究成果データベース)
このデータでは、虫の混入が最も多く、次いでビニールやゴムなどの合成樹脂類、毛髪などの動物性異物が多くなっています。
こうした異物混入のリスクを最小限に抑えるためには、適切な品質管理、衛生管理、異物検査の導入が不可欠です。特に、発生率が高い異物(虫、毛髪、プラスチック片など)に対しては、事前に予防策を講じることが極めて重要になります。
異物混入の主な原因
異物混入は、その発生要因によって大きく「外部由来」「内部由来」「人的要因」の3つに分類されます。それぞれの要因について詳しく説明します。
1. 外部由来
外部由来の異物混入は、原材料や仕入れ段階での管理不足が原因で発生するものです。原材料の異物混入を防ぐための厳格な受入れ基準が求められます。
原材料の異物
食品の製造工程では、農作物や畜産品、水産物などの原材料が使用されますが、これらの原材料にはさまざまな異物が混入している可能性があります。
- 土や砂、小石
農作物の収穫時に付着し、洗浄工程が不十分な場合に残る。 - 植物の葉や茎、枝、種子
小麦や豆類などの穀物には、異物として他の植物の種子やもみ殻が混ざることがある。 - 昆虫や害虫の混入
農作物の保管や輸送中に発生するケースが多い。特に米や豆類では、小さな害虫(コクゾウムシなど)が混入することがある。 - プラスチック片や紙片
原材料の包装材が破損した際に、包装片が食品に混入することがある。 - 紐やビニール片
原材料を梱包している紐(ひも)やビニールが適切に取り除かれずに製造ラインに流れることがある。
仕入れ段階での管理不足
原材料の受入れ時に異物混入が発生している場合、それを適切に検査・管理しなければ、製造工程内でさらに異物が拡散する可能性があります。
- 仕入れ時の検査不足
目視検査やX線・金属探知機によるチェックが不十分な場合、異物が見逃される。 - サプライヤーとの品質管理の不備
仕入れ元の衛生管理が不十分な場合、異物混入のリスクが高まる。特に海外からの輸入食品では、異物基準の違いによって問題が発生しやすい。
2. 内部由来
内部由来の異物混入は、製造・加工工程や施設・設備の不具合によって発生します。定期的な点検や衛生管理の強化が求められます。
製造・加工工程で発生する異物
製造ラインや加工機械の使用中に、部品の破損や作業者の不注意によって異物が混入することがあります。
- 金属片の混入
製造機械の摩耗や破損により、ボルト、ナット、歯車の一部が食品に混ざることがある。 - プラスチックやゴム片
パッキンやベルトコンベアの部品が劣化し、製造中に剥がれ落ちることがある。 - 工具や備品の混入
工具、クリップ、ペン、手袋の破片などが落下し、製品に混ざることがある。 - 未処理の異物混入
製造ライン上で異物を発見しても、適切な対応が取られずに出荷されるケースがある。
施設・設備由来の異物
工場の構造や設備管理の不備が原因で発生する異物も少なくありません。
- 蛍光灯や電球の破片
工場内の照明が破損し、その破片が製品に混入する事故が発生することがある。 - 塗料や剥がれたコーティング材
壁や天井の塗装が剥がれ、食品に落下するケース。 - 埃や虫の混入
換気口やエアコンのフィルターが適切に清掃されていないと、埃や小さな虫が食品に混入することがある。
3. 人的要因
人的要因による異物混入は、作業者の衛生管理や教育不足が原因となることが多いです。
作業者由来の異物
作業者自身が身につけているものや体の一部が、食品に混入するケースが多く報告されています。
- 髪の毛やフケ
食品異物クレームの中で非常に多い原因。帽子やヘアネットの着用が徹底されていない場合に発生しやすい。 - 爪や指輪
指輪やネイルチップが落下し、食品に混ざることがある。特に手袋をせずに作業する工程では、細かい破片が混入するリスクが高い。 - 衣服の繊維やボタン
作業着の管理が適切でないと、ほつれた糸やボタンが混入する可能性がある。特に、綿やウール素材の衣服は繊維が抜けやすいため、工場内での着用は禁止されることが多い。
ルール・教育不足による混入
作業者の知識不足や意識の低さが異物混入の原因となる場合もあります。
- 手洗いや衛生管理の徹底不足
適切な手洗いや消毒が行われていないと、作業者の手から異物が混入するリスクがある。手袋の着用義務が守られていないケースもある。 - 作業ルールの未遵守
作業場に私物を持ち込むことが禁止されていても、スマホやボールペンがポケットに入っていて、それが落下するケースがある。 - 新人教育の不足
異物混入防止の重要性が十分に教育されていないと、基本的な衛生ルールが守られず、異物混入のリスクが高まる。
異物混入によるリスク
異物混入が発生すると、企業や消費者にさまざまなリスクが生じます。特に食品業界では、健康被害や企業の信頼低下、法的責任、経済的損失などの影響が大きく、異物混入を未然に防ぐことが極めて重要です。ここでは、異物混入が引き起こす主なリスクを詳しく説明します。
異物混入は、消費者の健康被害から企業の存続に関わるリスクまで、多岐にわたる影響をもたらします。そのため、食品業界や製造業では、異物混入を防ぐための厳格な品質管理体制が求められます。
1. 消費者の健康被害
食品工場や製薬工場における異物混入の最大のリスクは、消費者の健康被害です。異物の種類や形状によって、以下のような影響が考えられます。
物理的な健康被害
- 口腔・歯の損傷
硬い異物(金属片、石、ガラス片など)が食品に混入していた場合、噛んだ際に歯が欠ける、折れるなどの被害が生じる。 - 喉や消化器官の損傷
鋭利な異物(針金、プラスチックの破片、骨片など)を誤って飲み込むと、喉や消化器官を傷つける可能性がある。 - 窒息の危険性
大きな異物(プラスチック片、包装材など)が食品に混入していると、特に子供や高齢者が誤飲し、窒息事故を引き起こす危険性がある。 - 有害物質の摂取
例えば、異物として農薬が付着した原材料や化学薬品の残留物が混入した場合、長期的に摂取することで健康に悪影響を及ぼす可能性がある。 - アレルギー反応の発生
誤った原材料や異物(ナッツ類、小麦由来成分など)が混入すると、食品アレルギーを持つ消費者に深刻な健康被害をもたらす。 - 細菌・カビの混入
異物として微生物(サルモネラ菌、大腸菌、カビなど)が含まれている場合、食中毒の原因となる。 - 昆虫や害虫の混入
食品に混入した昆虫(ゴキブリ、ハエ、アリなど)が病原菌を媒介し、消費者の健康を脅かす可能性がある。 - 食品衛生法違反
食品衛生法(第6条) では健康を害するおそれのある食品の販売を禁止しており、異物が混入した食品が消費者に販売された場合、違反に該当する可能性があります。保健所の立ち入り調査や改善命令を受ける場合があり、場合によっては製造停止命令が下されることもあります。 - 製造物責任法(PL法)
製造物責任法に基づき、企業は製造した製品によって消費者に健康被害を与えた場合、損害賠償責任を負います。製品の瑕疵が原因で異物混入事故が発生し、消費者に健康被害が生じた場合、訴訟や賠償請求の対象となります。 - 異物混入の許容基準の明確化
原材料ごとに異物の種類(昆虫、金属片、プラスチックなど)を想定し、それに応じた管理基準を設定する。(穀物類では「1kgあたり○○個以上の異物が混入している場合は受入れ不可」など) - 受入れ検査の実施
原材料の荷受け時に目視検査を行い、異物が混入していないかをチェックする。必要に応じて、X線検査機や金属探知機を用いて精密検査を行う。 - 定期的な監査の実施
仕入れ先の工場や倉庫を訪問し、異物混入対策が適切に行われているかをチェックする。特に海外のサプライヤーからの原材料については、管理基準が異なる場合があるため、契約時に品質管理の厳格な基準を明記する。 - 異物混入発生時のフィードバック
原材料に異物が混入していた場合、その情報をサプライヤーにフィードバックし、再発防止策を協議する。 - 機械の定期メンテナンス
機械のネジやボルトの緩み、金属部品の摩耗などを定期的に点検し、必要に応じて部品を交換する。特に食品加工機械では、カッターやブレード部分の破損による金属片混入が発生しやすいため、重点的に点検する。 - 生産ラインの異物防止設計
機械や製造ラインにカバーを設置し、異物が混入しにくい構造にする。(照明のカバーを防破仕様にして、ガラス片の混入リスクを低減など) - 作業場に不要な物を置かないことで、異物の発生を防ぐ。
- 工具や作業用品は決められた場所に保管し、使用後は元の位置に戻す。
- 作業終了後や製造の合間に、機械や作業台の清掃を行う。
- 清掃スケジュールを作成し、従業員に周知徹底する。
- 従業員一人ひとりが異物混入防止の意識を持ち、決められたルールを守るよう指導を徹底する。
- 髪の毛が露出しないように衛生帽子を正しい方法でかぶる。
- 耳の周りや襟足から髪がはみ出さないように確認する。
- 口や鼻からの飛沫が製品に付着するのを防ぐために、マスクを正しく着用する。
- 素手での作業を避け、使い捨て手袋を装着する。
- 手袋は定期的に交換し、汚れたままの使用を防ぐ。
- X線検査機
食品の中に異物が混入しているかを検出できる。金属だけでなく、プラスチックやガラス片などの異物も検出可能。 - 金属探知機
ステンレスや鉄片などの金属異物を検出し、自動的に製品を排除できる。 - 目視検査
人の目で最終チェックを行い、異物が混入していないかを確認する。 - サンプリング検査
一定の割合で製品を抜き取り、異物混入がないかを検査する。 - 社内での報告体制の確立
製造現場で異物が発見された場合、速やかに上司や品質管理部門に報告する。消費者からのクレームの場合は、カスタマーサポートや品質保証部門が状況を把握し、対応する。 - 異物混入の詳細記録
発見日時、発見者、製造ロット、製造ライン、異物の種類、大きさ、状態を記録する。可能であれば写真撮影を行い、異物の形状や特徴をデータとして保存する。 - 影響範囲の特定
異物が混入した可能性のある製造ロットを特定し、出荷済みかどうかを確認する。同じ生産ラインで製造された他の製品にも異物混入の可能性がないか調査する。 - 自主回収(リコール)の実施
異物混入が重大な健康被害を引き起こす可能性がある場合、速やかにリコールを実施する。消費者や取引先に対して適切な告知を行い、返品・回収の対応を取る。 - 製造ラインの一時停止と調査
異物がどの工程で混入したのかを調査するため、必要に応じて該当する製造ラインの稼働を一時停止する。原材料、設備、作業員の行動など、あらゆる要素をチェックし、異物混入の原因を特定する。 - 異物の分析
異物の材質を特定し、外部からの混入か、製造工程内での発生かを判断する。例えば、金属片なら機械設備の破損、プラスチック片なら包装材の破損、昆虫なら工場内の衛生管理の問題が疑われる。 - CCP(重要管理点)の見直し
HACCPの手順に従い、異物混入のリスクが特に高い工程を特定し、管理強化を行う。(X線検査機・金属探知機の設定を見直し検出精度を向上させるなど) - 設備・製造環境の改善
異物が発生しやすい設備の摩耗や劣化を防ぐため、点検頻度を増やす。作業場のゾーニング(汚染エリアと清潔エリアの明確な区分)を徹底し、異物が持ち込まれるリスクを減らす。 - 原材料の検査強化
仕入れ時の検査基準を見直し、異物混入のリスクがある原材料のチェック体制を強化する。(原材料の供給業者に対して異物検査の報告義務を追加するなど) - 異物混入が発生した原因と対策を全従業員に共有し、注意喚起を行う。
- 定期的な研修を実施し、作業員の衛生意識と異物混入防止の知識を向上させる。
- 衛生キャップや手袋の着用ルールを再確認し、守られていない場合の対処を明確にする。
- 作業エリアへの私物の持ち込み禁止、作業着の適切な管理を徹底する。
- 作業開始前や終了時にチェックリストを用い、異物混入防止のための確認作業を習慣化する。(「作業台の清掃が完了しているか」「手袋や帽子が正しく装着されているか」など)
化学的な健康被害
生物学的な健康被害
2. 企業の信用失墜・ブランドイメージの低下
異物混入が発覚すると、企業の信用やブランド価値に深刻な影響を与えます。
消費者からの信頼喪失
一度異物混入が発生すると、「不衛生」「品質管理がずさん」というイメージが広まり、消費者がその企業の製品を避けるようになります。特に食品メーカーでは、一度の異物混入事故が「リピーター離れ」に直結し、売上の大幅な減少を引き起こす可能性もあります。
SNSやメディアによる風評被害
近年、多くの消費者は異物混入を発見すると、積極的にSNSやレビューサイトに投稿します。「○○の商品に異物が入っていた」といった投稿が拡散すると、企業の評判が大きく傷つき、売上に悪影響を及ぼしかねません。実際、過去には異物混入問題がメディアに取り上げられ、大規模な不買運動につながったケースもあります。
取引先からの信頼低下
食品メーカーや飲食店において、異物混入の報告が多発すると、小売店や流通業者からの取引停止・契約解除のリスクが高まります。品質基準が厳しいスーパーやコンビニチェーンでは、異物混入を繰り返す企業の商品は棚から撤去されることもあります。
3. 法律・規制違反(食品衛生法など)
異物混入は、法律違反につながる場合があり、企業が行政処分を受ける可能性もあります。
4. クレームやリコール対応のコスト増
異物混入が発生すると、大きなコスト負担が発生します。
異物混入が発覚すると、企業は自主的に製品を回収する必要があり、これに伴い、リコール通知費用(新聞・ウェブサイトでの告知)、回収・廃棄費用(物流コスト、処分費)、返金・交換対応(消費者への補償)などのコストが発生します。大規模なリコールが発生すると、数億円規模の損失が出ることも珍しくありません。
また、消費者からのクレーム対応(カスタマーサポート対応、謝罪、返品手続き)によってカスタマーセンターの負担が増加すれば、人員増強による人件費も必要です。
さらに消費者が異物混入によって健康被害を受けた場合、企業に対する損害賠償請求が行われる可能性があります。
異物混入の防止策
異物混入のリスクを最小限に抑えるためには、製造工程全体で適切な管理が求められます。ここでは、「原材料の受入れ管理」「製造環境の管理」「作業者の衛生管理」「検査・モニタリング」の4つの視点から防止策を詳しく説明します。
1. 原材料の受入れ管理
異物混入は、製造工程よりも前の仕入れ段階で発生するケースが多くあります。原材料の受入れ管理を徹底することで、製造工程に持ち込まれる異物の量を大幅に減らすことが可能です。
仕入れ時の検品・基準設定
仕入れた原材料が適切な品質であるかどうかを確認するために、次のような基準を設けることが重要です。
サプライヤーとの連携
原材料の異物混入を防ぐためには、サプライヤーと密に連携し、品質管理を徹底することが不可欠です。
2. 製造環境の管理
製造環境が不適切だと、異物混入のリスクが高まります。設備や工場内の整理整頓を徹底し、異物の発生を未然に防ぎます。
設備・機械の定期点検
製造設備が劣化すると、金属片やプラスチック片などが混入するリスクがあります。これを防ぐために、次の対策が必要です。
工場内の整理整頓(5Sの徹底)
工場内での異物発生を防ぐためには、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾) の徹底が重要です。
3. 作業者の衛生管理
作業者が異物を持ち込まないよう、適切な衛生管理を行う必要があります。
衛生帽子・マスク・手袋の着用
作業者由来の異物(髪の毛、皮膚片、爪など)を防ぐために、以下のルールを厳格に適用します。
作業者教育(異物混入防止の意識向上)
従業員に対して、異物混入の危険性を理解させることが重要です。
新入社員向けだけでなく、既存社員向けにも定期的に研修を実施して異物混入防止の意識を高めるとともに、実際に発生した異物混入事例を共有し、具体的な防止策を学びます。
4. 検査・モニタリング
異物混入を未然に防ぐだけでなく、発生した異物を迅速に検出・除去するための検査も重要です。
もし異物混入が発生したら
どれほど万全な対策を講じても、異物混入が完全にゼロになるとは限りません。万が一、異物混入が発生した場合、企業は速やかに適切な対応を取ることが求められます。
1. 発見時の対応手順
異物混入が発覚した際は、迅速かつ適切な対応を取ることで被害を最小限に抑えることができます。消費者からのクレームや社内での発見時においても、以下の手順に沿って対応を進めることが重要です。
速やかな報告と記録
異物混入が判明した場合、最優先で社内の関係部署や上層部へ報告し、詳細を記録することが重要です。
製品の回収・調査
異物混入が確認された場合、対象製品を市場から回収し、混入原因を徹底調査します。
2. 原因分析と再発防止策の立案
異物混入が発生した原因を明確にし、同様の問題が再発しないように対策を講じることが不可欠です。
HACCPなどの衛生管理システムの見直し
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)を活用した衛生管理の強化を図ります。
従業員へのフィードバックと教育強化
異物混入を防ぐためには、従業員の意識改革と適切な教育が不可欠です。次のような取り組みがあげられます。
まとめ

今回のコラムは異物混入に関する包括的な情報を網羅しており、全体的な理解を深めるのにお役立ていただけたかと思います。
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