異物混入ラボ | 対策・防止方法を本気で考える情報サイト

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今回のテーマは、食品工場での異物混入対策についてです。
異物混入の問題はいろいろな業種に見られますが、中でも食品業界は、特にこの問題にシビアに取り組まれていると思います。何しろ、人の口に入れるものを作っているわけですからね。
そして、食品工場で発生しやすい面倒な異物の一つに「カビ」があります。
カビはどこから工場内にやってくるのか? その存在をどう調べ、対策すればよいのか? こういった点について考えていきたいと思います。

カビはどこからやってくる?

皆さまは、カビが出ると聞くとどんな場所を想像されますか?
ほとんどの方は、不衛生・ジメジメ・汚れている、といったイメージを持たれるでしょう。「食品工場のような衛生管理がしっかりした場所になぜカビが?」と不思議に思われるかもしれません。

カビというものは、空気中や水中、土壌の中など自然環境の至る所に広く存在しています。
皆さまの工場の中に潜んでいるカビも、もともとは工場の外に生息していたもの。
それが、工場の窓や扉から風に乗って工場内に侵入したり、作業者の体や衣類、野菜などの原材料に付着したりして工場内に持ち込まれたものなんです。

もしカビが食品に混入してしまうと、それを口にした人の健康被害につながる恐れがあります。さらにカビは混入場所や時期の特定が難しいため、最悪の場合、すでに流通している製品の自主回収という事態に発展することも。
食品工場にとってカビの存在は、非常に大きなリスクであります。大問題を引き起こさない前に万全の対策を取っておきたいものです。

食品工場内のカビを調べる方法

カビの混入に適切な対策を取る上で、工場内に実際どのくらいカビが存在するのかを正しく知ることが大切です。
それを食品製造の現場で確かめる方法として、「浮遊菌測定法」や「落下菌測定法」があります。

■浮遊菌測定法
一定容量の空気を強制的にサンプリングし、その空気中に含まれる微生物(※)の量を測定する方法です。
浮遊菌とは、ホコリや塵、水滴に付着し、風などによって空気中に舞い上がってただよう微生物のことです。

■落下菌測定法
一定時間内に、シャーレの中に自然落下する微生物数を測定する方法です。
落下菌とは、浮遊菌(上述)のうち粒子が比較的大きく、空中に舞い上がったあと重力で落下してくるものです。

※一般的に「微生物」とは、顕微鏡などでしか観察できない微小な生物の総称で、寄生虫・カビ・酵母・細菌・ウィルスなど多くの種類があります。本コラムは食品工場の異物混入をテーマとしているため、ここでいう浮遊菌・落下菌は「カビ・細菌」のこととさせていただきます。

食品工場の衛生管理は「落下菌」の数が指標

「落下菌測定法」で得られた結果は、空中から落下してくる菌を選択的に捕集したもので、空中菌全体の実態を示しているとは言えません。しかし環境条件が比較的安定している場合、落下菌の経時的な測定値を比較することで、その場所での空中菌による汚染状態が分かります。
さらに、落下菌測定法による測定値は、食品の開放面に付着して変質や劣化を引き起こす微生物の絶対量を知る上で非常に重要なものです。

そのため日本の食品工場における衛生管理は、この落下菌数を指標としています。
厚生省通知の「弁当及びそうざいの衛生規範」(昭和54年6月29日)では、測定方法や測定結果の評価基準について詳しく規定されていますので、ご関心のある方は以下をご覧ください。
JFRLニュース「室内環境における空中微生物汚染度の評価法」
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol4_no22.pdf

空調機とカビの切っても切れない関係

工場内のカビや細菌の状態が分かったら、次に考えるのは、どう対策するかです。
最初に、食品工場内のカビは工場の外から運ばれてくるとご説明しました。その経路は、風だったり、人の体や衣類だったりします。これらがカビを持ち込まないための対策を行うのはもちろんですが、もう一つ、工場内のカビ発生を抑えるために、見逃せないものがあります。それが「空調機」です。

空調機は、室温の管理も重要な食品工場では欠かせない設備ですよね。しかし実は、空調機の内部は非常にカビが生育しやすいんです。「空調機の中はカビの温床」なんて言われることもあるほど。
どうしてそんなことになってしまうのでしょうか?

そもそもカビが生育するためには、次の4つの条件が必要です。

  • 酸素:生物が生きていくために欠かせないものです。
  • 温度:一般のカビの生育に適した温度は、およそ15℃~30℃です。
  • 湿度:80%以上で活発に繁殖しますが、これより低い湿度でも育つ菌種もあります。
  • 栄養:カビは餅、菓子類などのでんぷんや糖分を含んだ食品を特に好みます。人の垢や塗料、壁材まで栄養源になる場合もあります。


空調機の置かれている環境について、これらの条件を確認してみましょう。
酸素については言わずもがな、ですね。工場では人が働いているんですから、酸素がなかったらえらいことです。
また食品製造工場の室温は、特別なケースを除いておおむね15℃前後です。
湿度については、基本的に空調機の中は高湿度になっています。これは冷却時に熱交換機が結露を起こすからです。
さらに空調機は室内の空気を循環していますが、この時に室内のホコリや食品由来の細かな粉、油煙などを吸い込んでしまい、これらがカビにとっては栄養源となります。

このように、空調機の内部はカビが生育しやすい条件がカンペキにそろっているわけです。これでは「カビの温床」と呼ばれるのも無理はありません…。

「栄養源」を断ってカビを退治!

いくら工場外からのカビの侵入を防いだとしても、工場内の空調機がカビの温床となってしまっては、空調し続けている限り室内のカビ汚染は改善されず、異物混入のリスクも軽減されません。
では、空調機の中でカビを生育させないためにはどうするか?答えは簡単。先ほどあげた4つの条件のうち、どれかを無くしてしまえば良いのです。

4つの中で、現実的になくすことができそうなのは、カビの栄養源を断ってやることでしょう。言ってみれば「兵糧攻め」です。
(他のものは、空調機や働く人たちにとっても必要なものばかりですし)
空調機の吸い込み口などに設置されているフィルターを定期的に清掃したり、空調機内部のクリーニングを実施したりしてカビの栄養源となる汚れやホコリの発生を抑えましょう。

「電石サニフィルター」を使えばさらに安心!

また、仮に空調機内部にカビが発生したとしても、吹き出される冷気・暖気に含まれるカビをシャットアウトできる仕組みがあればなお安心です。

食品工場などの空調設備として近年人気が高いものの一つに「ソックダクト」という製品があります。
ソックダクトは長い筒状の形をした布状のダクトで、空調機の吹き出し口に接続するとドラフト(吹き出しエアー)が非常に低速となります。これにより室内がほぼ無風化され、作業者の体感温度の改善や食品表面の乾燥防止、場所による温度ムラの解消といったメリットが生まれるものです。

私たちサンロードでは、このソックダクトに強力なフィルター性能を備えた「電石サニフィルター」という製品を製造・販売をしており、各方面で大変ご好評いただいています。

「電石サニフィルター」の素材である、電石不織布「トレミクロン®」の強い吸着力によってカビ・細菌を99%以上捕集。空調機由来の落下菌低減に大きな効果を発揮します。
さらに次のような特長があります。

  • 使い切りタイプなので、汚れがたまれば簡単に新品に交換可能(交換目安は6ヶ月~1年)
  • 国内生産で短納期・小ロット・オーダーメイドを実現(約1週間、1本から受注製作)
  • 軽い素材なので高所での設置、交換作業も楽々(300Φ×10mで約500g/本)

より詳しい商品説明はこちらをご覧ください。(サンロードのサイトが開きます)
電石サニフィルター

「電石サニフィルター」を設置できるのは、比較的風量の大きい空調機に限定されますが、空調機由来の落下菌にお困りのお客様はぜひ一度ご相談ください!

まとめ

いかがでしたか?
食品工場のようなクリーンな空間でも、カビや細菌と完全に無縁でいることはできません。
対策の基本は、カビを外から持ち込まないこと、カビが育ちやすい環境を断つこと。
毎日の業務の中で一つ一つ実践していただければと思います。
あわせて「電石サニフィルター」のような便利なアイテムの活用もぜひご検討ください!

【参考文献】

WEBサイト

書籍・資料

  • 研究年報「食品のカビ汚染と防止対策」(東京都健康安全研究センター)
  • 技術用語解説「空中落下菌」(日本食品工業学会誌)
  • JFRLニュース「室内環境における空中微生物汚染度の評価法」(日本食品分析センター)

おまけ:もうひとつの「異物混入対策」とは?

食品の異物混入って、国内でも時々大きなニュースになってますよね。
あの某ファーストフード店とか、なんとかヤングとかの話は記憶に新しいところです。
ちなみに海外だともっとエゲツナイのがありますので、物好きな方はご自身でお調べくださいませ。私はもういいです。

さて、こうした異物混入トラブルへの対策ですが、「電石サニフィルター」のようなハード面の対策はもちろん、もう一つ大事なのは「情報管理」です。

SNS全盛のご時世、ちょっとした問題がすぐに拡散・炎上します。それが正しい情報ならまだしも、嘘を流されてはたまりません。実際、さっきの某ファーストフード店の件も、SNSで様々な情報・憶測・デマが流されていたようです。

異物混入に限りませんが、企業たるもの、日頃から自社のインターネット上の評判は把握しておくよう注意したいものです…自戒をこめて。

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