異物混入ラボ | 異物混入対策を本気で考える情報サイト

異物混入ラボでは、製品や製造ラインへの異物混入を防ぐために日夜研究しています。
ところで、工場で働く皆さんにとって、職場の温度や湿度を快適にする空調機(エアコン)はなくてはならない存在だと思います。
この空調機が、実は工場内の異物の発生原因になっている可能性があるのをご存じでしょうか?
本テーマでは空調機の仕組みや異物の発生源になる原因、その対策などを皆さんにご説明していきたいと思います。

空調機の機能や種類を知ろう

空調機の仕組み

最初に、空調機が冷暖房を行う基本的な仕組みについて簡単にご紹介します。

空調機は「室内機」と「室外機」の2つで構成されていて、それぞれが配管でつながれています。
パイプの中には「冷媒」というものが入っています。冷媒とは簡単に言うと「熱エネルギーを運ぶ物質」。液体や気体に形を変えながら、室内の空気から熱を奪ったり、熱を与えたりします。

図は、冷房の仕組みを簡単に示したものです。暖房だと、熱の動きがこれと逆になります。
室内の暖かい空気が熱交換器を通ると、冷媒に熱が移り、冷たい空気が部屋に放出されます。
熱くなった冷媒は、室外機の熱交換器で熱を外の空気に移し、また冷たくなって室内機に移動します。
このサイクルの繰り返しで部屋の冷房が行われるわけです。

これでお分かりかと思いますが、空調機は部屋の中と外で空気の出し入れは行っていません。あくまでも、室内の空気を循環させているんですね。

なお「空調機」というと、「空気調和機(室内の温度・湿度の調整や空気清浄、気流のコントロールなど空気環境を全般的に調整する設備)」を指すこともありますが、本稿では室内の冷暖房に特化したエアコンのことを「空調機」と呼びます。

工場内の空調機はどんなものがあるのか

一般の工場で使われる業務用空調機には様々な種類がありますが、おおむね次の5タイプが代表的です。
※画像出典:ダイキンプロショップ

天井埋込カセット形
温度が均一になりやすく、業務用では最も多く採用されている空調機です。主に吹出口が4方向の正方形タイプと、2方向の長方形タイプがあります。

ダクト形
天井内の室内機本体からダクト配管で吸込口や吹出口を分散させるタイプです。部屋の間取りやインテリアに合わせて柔軟な空調設計を行えます。

天井吊形
室内機を天井に吊るすタイプの空調機です。構造上、埋込タイプを設定できない場合に使われます。本体の厚みがあると天井が低くなるのがデメリット。

床置形
床に設置する露出形の空調機で、設置やメンテナンスが容易なのがメリットです。近年は小型化・スリム化しており幅広い用途に使われています。

壁掛形
設置費用が安くメンテナンス性も良いですが、部屋の形によっては温度ムラができます。ルームエアコンに一般的な形で、工場で使われることはまれです。

なぜ空調機が異物の発生源になるのか?

空調機は、私たちの日常生活に、また快適な職場環境をつくるために欠かせない設備です。
しかし一方で、その空調機が工場などで異物発生の原因となっているという事実も知らねばなりません。
その大きな原因は2つあります。

空調機の経年劣化

空調機を長期間にわたり使用していると、機内に取り込んだ空気に含まれる汚れや粉塵(チリ・ほこり)が本体やダクトの中に堆積していきます。これが温風・冷風と一緒に室内に吹き出し、異物として製品に混入する恐れがあるのです。

もちろん空調機内部には汚れやほこりをキャッチするためのフィルターが備わっていますが、長期使用の中でメンテナンスが十分でないと、フィルターの性能も劣化していきますので安心できません。

工場由来の物を空調機自身が内部に蓄積

空気中の汚れやホコリ、水分などを原因とする異物発生は、ある意味、どんな職場でも起こりうる問題です。
一方で、その工場特有の事情で発生する異物というものもあります。

例えば、私たちが以前にご相談を受けたある食品工場様では、カット野菜を取り扱っており、野菜の消毒用に次亜塩素酸ナトリウムを日常的に使用していました。そこから揮発した成分が空調機の内部で錆を引き起こし、空気中に放たれ異物混入の原因となったものです。

他にも、これは弊社の事例ではありませんが、ある印刷工場で印刷用インクに含まれたアンモニアや有機酸成分が原因で空調機のアルミフィンが腐食し、異物となって場内に飛散したというケースが見られました。
詳しくは以下をご覧ください。
エアコンから変な異物が落ちてきた!(日本水処理工業株式会社)

これらの事例では、普通のホコリや汚れと違い、異物の正体や発生源を発見するために特別な検査が必要となりました。
適切な異物混入対策を行うためには、まずは原因の特定から。皆様の工場でも、もし原因の分からない異物混入が見られた場合は早急にご相談くださいませ。

今すぐ確認!空調機の汚れチェック

どれだけ外部から異物持ち込みの対策をしていても、部屋の中の空調機が異物を出してしまっていては元も子もありません。あなたの工場の空調機は大丈夫でしょうか?
空調機から異物や汚れが出ている場合、その影響がいろいろな場所に出てきます。ぜひ定期的に確認してみることをおすすめします。

吹き出し口の回り

まずは空調機の吹き出し口を確認してみましょう。
もし黒い点々のようなものが付いている場合、それはファンの中にたまっているカビがホコリなどと一緒に付着したものと考えられます。そうなれば吹き出し口からカビが空気中に放出されている可能性も高く、異物混入のリスクとなるでしょう。

天井の黒い汚れ

埋込型空調機の周辺の天井や壁が、黒く汚れていることはありませんか?
これは空調機による空気循環や静電気の影響で、空気中のチリやホコリが付着することが原因とされています。
こうした汚れは見た目に不衛生なだけでなく、汚れが落下して工場・倉庫内の製品に混入してしまうリスクをはらんでいます。

フィルター

空調機内部のフィルターも重要なチェックポイント。
フィルターは、空気中の汚れや粒子を捕集するという大切な役割があります。フィルターが正常に働くよう定期的にチェックして、汚れがたまっている時は掃除するようにしましょう。また、もしフィルターに普通のホコリや汚れとは違う物質が捕集されている場合は要注意。室内で異物が発生している可能性があります。

異物の発生源となっている場合は今すぐ対策を!

ご自分の職場の空調機で、上にあげたようなチェックポイントに汚れや異物が見られた場合は、すぐに対策を取りましょう!
大切な製品に異物混入してしまっては手遅れ。全社的な大きなトラブルにもつながりかねないからです。

「対策」といっても、難しいことをするわけではありません。
まずは汚れをしっかりクリーニング(掃除)すること。そして異物が絶対に落ちないための防護です。

①空調機のクリーニング

手の届く部分は自分でクリーニングできる

手の届く本体やフィルターについては自分で掃除が可能です。慣れれば難しい作業ではないので、定期的に行って空調機をきれいな状態に保ちましょう。
大まかには次のような流れになります。

  1. 電源プラグを外す
  2. 取扱説明書に従ってフィルターを取り外す
  3. フィルターの汚れを掃除機で除去する
  4. 掃除機で取れない汚れを水洗い(スポンジやブラシを使用)
  5. 乾燥させたあと天日干しにする
  6. フィルターを本体に取り付ける
  7. 本体を拭き掃除し、電源プラグを戻して完了

内部のクリーニングは専門業者に任せよう

空調機内部のアルミフィンや送風ファン(回転して気流を作る装置)の掃除は、専門知識のない人は自分でやらないほうが良いでしょう。
外からは見えない部分なので、自己流で無理してやってもちゃんと汚れや異物を取れるか確認できませんし、何より機械を故障させてしまう恐れがあります。

内部の掃除は、専門知識とクリーニング用具を持ったクリーニング業者に依頼するのが無難です。ある程度のコストはかかってしまいますが、異物混入のリスク回避には代えられません。

②吹き出し口にフィルターを設置

異物混入の危険をなくすためには、まず空調機から汚れ・異物を出さないことが第一ですが、もう一つの対策として、仮に空調機から異物が出てしまっても、それを空中に飛散させない・製品の上に落とさないよう、物理的に防ぐという方法があります。
これら二重の対策をしておくことで、空調機から発生する異物の混入リスクを最大限に抑えられるのです。

この発想から生まれた製品が、私たちサンロードの「とおさないフィルター」です。

「とおさないフィルター」は、弊社が独自に開発した空調機用のフィルターです。給気口や排気口に簡単に取り付けることができ、室内への異物の飛散や虫の侵入をシャットアウトできます。
通気性の高い素材を使用しているので、空調機に負荷をかけることはありません。

さらに「とおさないフィルター」はオーダーメイドが可能なため、あらゆるサイズ・形状の空調機や給気口などに対応可能です。

詳しくお知りになりたい方は、こちらの製品紹介をご覧ください。
とおさないフィルターの特長

まとめ

工場内の空調機における異物発生の問題についてご説明してきました。
空調機は工場に欠かせない存在である一方、空気中への異物の発生源でもあるのは間違いないところ。製品や製造ラインへの異物混入リスクを少なくするために、ぜひ今一度、貴社の現状をご確認いただき必要な対策を講じることをおすすめします。
日頃のお掃除やメンテナンスとあわせて、「とおさないフィルター」も非常に効果的ですのでぜひご検討くださいね。

おまけ:とっても大事な室外機。正しい置き方をチェック!

ルームエアコンの室外機って、何気にせつない存在だと思いません?
いつも雨風にさらされ、人目につかず、「置き場所がない」と邪魔にされる。
どれだけ働いても注目されるのは室内機。テレビCMに出るのも室内機。
…なんだか、書いてて泣けてきましたよ。

そんな室外機ですが、実はエアコンが性能を発揮できるかは室外機にかかっている、と言っても過言ではないくらい大事なものなんです!
「効きがイマイチだな」と感じたら、室外機の置かれている状態をチェックしてみましょう。

室外機の置き方で気を付けたいチェックポイントは次の通り。
基本は、放出した温風を再び吸い込まないよう風通しを良くすることです。

  • 室外機の周りに十分なスペースをとる
  • ファンの前に温風をさえぎる物を置かない
  • 直射日光が当たらないよう日よけを付ける

人目を忍んでがんばっている室外機には、いたわりの心をもって周りの環境を整えてあげましょうね♪